Episode12
黒竜の魔気が跳ね上がる。
大量の砂ぼこりを上げて空へ飛び上がる黒竜。
「おいおい、このまま降りて来ないとかやめてくれよ・・・」
空に浮いたままの黒竜はレイナに向かって、魔力を球状に圧縮して触れたものごと爆発する魔弾を撃ち始める。
魔弾の速度は約150キロ程度だろう。
高密度魔力ブレスに比べれば格段に威力は低いが、当たれば漏れなく爆発するのでただでは済まないだろう。
巻き添えになった木が木端微塵に吹き飛んでいる。
そんなものを5秒毎に、天から撃てるなんて圧倒的過ぎる。
レイナは走り回って上手く躱して居るが、当たるのも時間の問題だろう。
何とかしなかれば。
そうか!!!別に、防ぎきらなくても良いのだ。
「プロテクトシールド!」
レイナと黒竜の間に直径1メートル程の防御魔法陣を設置する。
バリィィィン!!防御魔法陣が割れる音と共に、防御魔法陣に当たった魔弾は爆発し、レイナまで届かない。
ファイアボール程度なら防いでしまう防御魔法陣だが、黒竜の魔弾レベルの威力だと到底防ぎきれないだろう。
だが、防ぎきらなくても良い。
黒竜の魔弾は物に接触し爆発しているので、レイナに届くまでに防御魔法陣に当ててしまい魔弾を誘爆させ処理してしまえば良いのだ。
勿論一度きりで防御魔法陣も消失してしまうので、また新たに張り直す必要がある。
だが、これでレイナに飛んでいく魔弾は何とかなりそうだ。
黒竜は何度も魔弾を放つが、防御魔法陣により拒まれる。
「ノア!!黒竜までの足場を作って!」
なるほど、防御魔法陣を上向きに設置してみる。
レイナがそこに飛び乗るとまたその先に防御魔法陣を設置する。
そこからレイナは飛び上がり黒竜より少し高いくらいの所まで到達したところで、
「ライトニング!!!」
雷切に瞬間的に放出できる最大の魔力を込め、
黒竜に向かって、刀を横なぎに振る。
ドッーン!!!バチバチバチ!!!
青紫色にバチバチと光る刀身から放たれる凄まじい威力を持った複数の雷撃が
黒竜に惜しみなく降り注ぐ。
無傷状態なら効かなかっただろう、魔力を纏った鱗が防いだはずだ。
だが現在の黒竜は傷だらけである。
傷口から真面に雷撃を喰らった黒竜は地面へ落下する。
ドゥーーーーーン!!
落下したと同時にレイナが攻める。
憤怒した黒竜は幾度と見てきた尻尾による薙ぎ払いを行うが、先程多数入れられた切り傷に上手く斬撃を合わせたレイナの雷切によって尻尾も切断されてしまう。
「GYURUUUUUUUUU」
そして追い打ちをかけるかの様に、レイナは黒竜の真下より煩く吠える喉元を切り裂く。
ッッッッッッッ!!!!
声にならない叫びを上げて黒竜は地べたに這いつくばる。
レイナの勝利だ。
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