Episode154
ノアは魔剣グラムをニーズヘッグの頭部へと突き刺し動きを封じる。
一般的な魔物であれば、頭部を破壊されれば数秒で死に至るだろう。
だが相手は、4体に分けられても生きている化け物だ。
この程度攻撃では死にはしない。
案の定、頭部に突き刺さった魔剣グラムを抜こうと足掻いている。
両腕をサタンが押さえつけていなければ、すぐにでも攻撃をして来ただろう。
ミカエルは封印魔法を発動させるために魔力を練っている。
「ノア君、いきますよ!!!」
「うん。」
ミカエルがニーズヘッグに封印魔法を放つ。
ノアの胸に漆黒の穴のようなものが開き、そこにニーズヘッグは少しずつ吸い込まれていく。
「っく...」
ノアにはこの間、表現のしようが無いくらいの耐え難い激痛が走っているのだ。
「耐えろノア。」
「あ"あ"あ"ぁぁぁ!!!」
苦しむノアは、既に意識が朦朧としてきている。
「許さん...また我を封じると言うのか!!」
「黙って封印されろ。てか、話せたのかこのトカゲッ!?」
そう言ったサタンだったが、至る所に痣のようなものが広がり始める。
先程の戦闘で呪いを受けてしまったのだろう。
「クソッ。俺も限界か...」
自分の身体を見て、はっとミカエルを見るも同じく呪いによって痣のようなものが全身へと広がり始めている。
これは封印を始めたことで、ニーズヘッグの呪いに何等かの影響が出たものと考えられる。
「急げミカエル。俺たちもうこれ以上は持たないぞ。強制送還されちまうっ!!」
「分かっています。もう少し...もう少し...」
ニーズヘッグの大きな身体は、少しずつ煙のようなものとなってノアの胸へ吸い込まれていく。
「許さん、ゆるさんぞおおおぉぉぉ―――。」
ニーズヘッグだった物は、全てノアの胸へ吸い込まれ消える。
ノアは意識を失い、そのまま後ろ向きに倒れた。
「多分...成功しました...」
「そうか、そうか...良かった...だが、俺たちももう...」
「はい、ノア君をせめて安全な場所へ運びたかったですが、これで誰かが見つけてくれる事を願います。ライト。」
ミカエルは空に右手を伸ばすと、太陽のように燦々と光り輝く丸い球を浮かばせる。
すると空間が割れ、亜空間から黒い鎖のようなものがサタンに纏わりつきその割れ目へと引っ張り始める。
「お迎えが来たようだ。すまないなノア。お前にばかり...」
サタンは亜空間へと引きずり込まれ、そこには何もなかったかのように消え去った。
「ルシファー...私も来たようですね。」
ミカエルはそう言うと、空を見上げる。
頭上から金色の光が降り注いでおり、ミカエルの身体はその光に乗って浮上する。
「ノア君、お元気で...いつも辛い役目ばかりすみません...」
そう言い残すと、ミカエルもその場から消え去った。
そこには大きな災害が起こったかのような地形の変化と、気を失った少女のような見た目の少年のみが残された。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!!
ブックマークと下にある★★★★★を押して、やまうさ(作者)の応援をお願いします。(*'ω'*)
既にブクマ、評価が済んでいる方はありがとうございます!!
凄く励みになっております( *´艸`)
感想やレビューも書いていただけると、非常に喜びます!
この作品を一緒に有名にしてください♪
次のお話も楽しんでいただけたら幸いです。
【作者Twitter】https://twitter.com/yamausayamausa




