Episode149
「邪竜開放。」
ノアはそう呟くと、地面に刺していた魔剣グラムを引き抜く。
邪悪な魔気を垂れ流すことで、ニーズヘッグの注意がノアへと向く。
その刹那、ノアは消え瞬間的にニーズヘッグの後ろへと回り込んでいた。
「GYUOOOOOO!!!」
背中に魔剣グラムによる黒い斬撃を喰らい、手に持つミカエルと尻尾で突き刺していたサタンを放して吹き飛ぶニーズヘッグ。
「アルティメット・ヒール...」
「ゴホッゴホッ...ハァハァ...私、天使なのに死ぬかと思いました...」
ミカエルと、サタンは生死を彷徨っていたので少し窶れている。
「助かったぞ、ノア。死ぬかと思った、悪魔だけど。」
半分埋まっていた地面からゆっくりと這い出たルージュはブチ切れていた。
「アイツ、まじぶっ殺す。」
「まぁ落ち着いてください。一人で向かって行っても勝てる相手じゃありませんよ。」
「そうだぜ。ちょっとこれは、一人では手に負えないな。」
そう三人が話している間にも、ノアはニーズヘッグへ追撃を仕掛けている。
よろよろと起き上がるニーズヘッグの頭上から縦一閃。
頭から股にかけて、黒い斬撃を喰らわせる。
「GYURUUUUUU!!!」
もろにそれを喰らって、悲鳴を上げるニーズヘッグ。
「凄まじいですね...」
「いや、あいつ。前よりも更に深くまで開放してるんじゃねーのかこれ。」
「なに? 開放って?」
少し頭を冷やしたルージュが、開放と言う言葉の意味を二人に問う。
「ノア君は今、内に封印した邪竜ニーズヘッグの力を、自分が乗っ取られない程度に開放してその力を使用して戦っているのです。」
「え、じゃあ一層の事ならミカエルとサタンも開放して一緒に戦って、さっさと封印しちゃえば良いじゃん?」
ルージュは純粋な質問を投げかける。
「そうしてぇのは山々なんだが、出来ねぇんだよ。」
「え、出来ないって?」
「俺はノアみてぇに器用にギリギリの所まで開放なんて出来ねぇ。普通は開放したら最後、乗っ取られて終了だからな。」
「私も開放して、身体を乗っ取られてしまっては、邪竜ニーズヘッグを封印する者が居なくなってしまいますので開放は出来ません。」
「そうなんだ、じゃーあの子かなり凄いことやっているんだね。」
三人の視線の先ではノアがニーズヘッグを押している。
「僕等も加勢しよう。」
「はい。四人であれば、何とかなりそうです。」
「あぁ、ノアだけに良い格好はさせられないしな。」
三人はノアの加勢へと向かうのだった。
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