Episode148
邪竜ニーズヘッグに殴りかかるサタン、確実にニーズヘッグの顔面に一撃が入る。
透かさずもう片方の手で反対側の顔面を殴りつけるが、ガードされてしまう。
ニーズヘッグは顔面を両手でガードしたことにより、空いたボディーに回し蹴りを炸裂させる。
サタンによる回し蹴りをもろに喰らったニーズヘッグは、吹き飛ばされるような衝撃に耐えながらも三メートルほど後退する。
「ッチ、やるじゃねーか。」
サタンはニーズヘッグに向かって本気で走り出し飛び蹴りを繰り出すと、それに合わせて両手でガードし対抗するニーズヘッグ。
だが、突如真後ろに現れたルージュがニーズヘッグの身体へと触れると、体全体がいきなり青い炎に包まれ燃え上がる。
「バーン・アウト。」
「GUGYAAAAAA!!!」
転げ回って悶え苦しむニーズヘッグ。
しかし、抵抗しても青い炎は消えることも無く、次第に抵抗しなくなり動かなくなる。
「お、死んだか?」
「いや~どうだろ? 今のは僕の中でも単体へ与えるダメージは一番強い技なんだけど、たぶん死んでないよね~きっと。」
巨体から上がっていた青い炎は沈下したが、まだ夥しい量の煙が上がっている。
「ミカエル封印魔法かけてみろ。」
ミカエルに向かって手招きをしながら、サタンは大きな声で叫ぶ。
その合図でミカエルはバリアの外へ飛び出すと、飛行してニーズヘッグへと着地する。
「今からニーズヘッグの再封印を行います。憑代に...」
近付いたミカエルを待っていたかのようにニーズヘッグが動き出し、ミカエルの首を片手で掴み持ち上げる。
「おいおい、邪竜は死んだふりもすんのかよ。」
「カッ...クッ....」
今にも首をへし折られそうなミカエルは、息が出来ずにじたばたと藻掻き苦しんでいる。
「ミカエルを離せバカヤロー。」
両手を青色の炎で燃やしながら、ニーズヘッグへと飛び掛かるルージュだったが、ニーズヘッグの空いた方の手で頭を鷲掴みにされ地面へと叩きつけられてしまう。
更にその上から、頭を踏みつけられ地面へとめり込む。
「ふざけんなっ!」
最後にサタンもニーズヘッグへと攻撃を仕掛けるが、空いている手で上手くいなされる。
「ゴホッ...クソッ...」
サタンは腹部に激痛が走り、吐血する。
ゆっくりと腹部に視線を落とすと、なんと自分の腹部をニーズヘッグの尻尾が半ばくらいまで貫通しているではないか。
ミカエルは首を掴み持ち上げられ、意識が飛び掛かっている。
ルージュは地面に半分以上埋まっており、その上からニーズヘッグに踏みつけられている。
サタンは先ほどから腹部をニーズヘッグの尻尾が貫通しており、大量に出血している。
三対一でありながら全くもって歯が立たない。
邪竜ニーズヘッグは、これほどまでに恐ろしい敵であったのだ。
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