Episode146
ノアたちが会話している間、ルカは回復することに全ての魔力を集中させた。
そのお陰でほぼ全快となり、そこから更に邪竜ニーズヘッグの力を再び全開放しようとする。
しかし、そう何度も邪竜の力をコントロールすることに成功する訳も無い。
「あああああぁぁぁぁ!!!」
急速にルカの意識が邪竜ニーズヘッグに取り込まれていく。
「おいおい、ありゃ暴走するぜ?」
「不味いですね。このままでは巻き込まれます。避難します。」
「あいよー。」
「...」
無言でルカを睨みつけるノアを抱えた大天使ミカエルは、最速で飛行しながらなるべくルカから遠ざかるように距離をとる。
同じく悪魔王サタンと魔王ルージュ・メテオノールも大天使ミカエルに続くかたちで距離をとった。
その数秒後のことだった。
ルカが居た付近から強大な魔気が溢れ出し、大規模な魔力爆発が起こる。
地震のように大地が揺れ、轟音が鳴り響く。
最初にルカが邪竜ニーズヘッグを取り込んだ時の、約十倍ほどの範囲を巻き込んだ大規模災害がそこに起きた。
超広範囲で大爆発を起こしたすぐ後に、爆発の中心へと全てが吸い寄せられる。
爆風も、爆炎も、土埃から石ころまで全てが吸い込まれ消え去る。
「こりゃやべぇーな。」
「彼女はもう助けることは叶いません。邪竜ニーズヘッグに身も心も支配されてしまっています。彼女ごと倒して封印する他に方法は無いでしょう。」
サタンとミカエルの話を聞いたノアとルージュは、それで合意する。
四人の視線の先には、こちらへとゆっくり歩いて来るルカだった者が見える。
そのルカだった者は、ルカであったころの原型は既に無くなっており、身長約三メートルほどの大きな鎧を身に纏った竜騎士のような見た目となっている。
全身鎧で覆われているのだが、溢れ出す魔気は一般的な人族では即死してしまうほどの濃さである。
禍々しく、重く濃い魔気を垂れ流しながらゆっくりこちらへ向かってくる。
「悪い、ノアも手伝えるか?」
「うん、いけるよ。」
「ノア君すみません。当初私が予測していたよりも邪竜ニーズヘッグの力が強く、四人で力を合わせないと難しいかもしれません。いったいどれだけの数を殺せばああなるのでしょうか...」
「うん大丈夫。」
「僕も勿論大丈夫だよ。」
ノアの返事に続き、魔王ルージュ・メテオノールも戦闘の意思を示す。
「先ずは弱らせましょう、そうすれば私の封印魔法に抵抗する力も無くなるはずです。タイミングの良いところで封印魔法を施しますので、ルシファーは補助をお願いします。」
「おうよ。って俺のことは、サタン様と呼べと言ってるだろうが!」
「了解。」
「あいよ~。」
そうしてここに、天使、悪魔、魔王そして人族の共同戦闘が始まったのであった。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!!
ブックマークと下にある★★★★★を押して、やまうさ(作者)の応援をお願いします。(*'ω'*)
既にブクマ、評価が済んでいる方はありがとうございます!!
凄く励みになっております( *´艸`)
感想やレビューも書いていただけると、非常に喜びます!
この作品を一緒に有名にしてください♪
次のお話も楽しんでいただけたら幸いです。
【作者Twitter】https://twitter.com/yamausayamausa




