Episode11
黒竜が羽ばたき土煙を吹き飛ばす。
見つかってしまった。いや最初から見つかっていたのだろう。
視界が晴れて黒竜が良く見える。
黒色の身体に映える深紅の眼でレイナを見つめている。
無傷な事に驚いているのか、それとも喜んで...いる!?のか
「行ってくる。」
僕にそう言い残して
「雷刃!!!」
停止していた雷刃を再起動させレイナは黒竜に突っ込む。
黒竜も待っていたとばかりに尻尾で薙ぎ払う。
キーッンッ!!!
雷切で黒竜の薙ぎ払いを受けたが、受け流しきれずレイナは吹っ飛ばされる。
自動回復により、飛ばされている最中に回復が終わる。
空中で体制を整え上手く着地する。
「GYURURURU...」
お!黒竜が怯んでいる!?
良く見ると先程攻撃を行った黒竜の尻尾に深い切り傷が付いており、出血もしている。
刃が通ってる!やはり雷刃ならば有効打に成りえるのだ。
だが、レイナはどうだ?今の一撃で本来であれば右腕、あばら等至る箇所が複雑骨折しているだろう。
勿論既に治ってはいるが。
通常の攻撃をされるのであれば、受け流し防ぎ避けるだろう。
もし直撃したとしても魔力で身体を強化している状態であれば一撃で消し飛ぶと言う事は無いはずだ。
だが、先程のあの高密度魔力ブレスが問題だ。
あんなもの連続で放たれた日には堪ったもんじゃない!!
まぁ、あのレベルの攻撃は流石にポンポン撃てないだろう。
次撃てるようになるまでに何とか倒すか、無理でもできるだけ弱らせなければならない。
少し弱ったら退いてくれないかなぁ。
レイナはまた突っ込む。
一太刀浴びせ、吹き飛ばされる。を繰り返している様だ。
これぞゾンビアタック!簡単に死なないから出来る芸当である。
これを何度も何度も、ひたすら続けるのだ。
時には黒竜の追撃を逃れ、2撃入れる時もあった。
次第に3撃、4撃とレイナの攻撃回数が勝り始める。
黒竜は少しずつではあるが、傷も増え動きも鈍くなってきているのだ。
その時黒竜がレイナに向かって高密度な魔力を溜め始めた。
ブレスが来る!!!
飛ばされた直後のレイナもこれを感じ取り特攻を仕掛ける。
黒竜が先か、レイナが先か!!
僅かに早かったのはレイナだ。
黒竜の顎に渾身の蹴りを炸裂させる。
レイナの蹴りを真面に受けた反動で宙を見上げた黒竜はそのまま宙へ向けて高密度魔力ブレスを放った。
ブレスは雲を裂き、そして黒竜の口からはブレスを放った煙ではなく、悲鳴がこだまする。
「GYAOOOOOOOOOO!!!」
蹴りを入れた後にすぐレイナは雷刃で黒竜の肩から胸までを斬りつけ、更に斬りつけた傷口に雷切をぶっ刺した。
「ライトニング!!!」
バチバチバチ!!!!
「GYAAAAAAAAA!!!!」
黒竜は体内にもろに雷撃を喰らい、相当なダメージを負った様で
刀を引き抜き、飛び退くレイナに追撃も出来ずに吐血している。
これは・・・いけるのか!?
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