Episode144
ノアの手にはルナが居た温もりはすっかりと消え去り、白い灰とピンク色の魔石だけが残った。
魔物の魔石とは違い、小さな小さな魔石だった。
「ルナ.....」
溢れ出す涙で視界が霞む。
「リザレクション...アルティメット・ヒール...リザレクション...リザレクション。」
意味がないと分かっていても、回復魔法と蘇生魔法を使い続ける。
「僕を置いて行かないでよ...」
こんなことならば、この依頼を受けなければよかった。
無理矢理にでもルナを連れて、何処か安全なところで二人っきりで暮らせばよかった。
そうだった。それだけで良かったんだ。
ルナと二人で居れるだけで良かったのだ。
それ以上は何も望まなかった。
どうしてこんなことに...
全ては邪神教徒から始まったのだ。
そう、邪神...邪竜ニーズヘッグが全ての現況だ。
あいつが悪い。
邪竜がルナを奪った。
そして邪竜を取り込んだ、ルナの妹のルカがルナを殺した。
邪竜とルカが憎い。
憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い―――。
あいつ等さえ居なければ、僕はすっとルナと二人で暮らせたのだ。
居なくなってしまえばいい。
そうだ、取り敢えずルカを殺そう。
その後にルカが取り込んだ分の邪竜は僕がまた取り込めばいい。
それで暴走しても知らない。
どうでもいい。もう何でもいい。
ルナが居なくなったのだ。
もう世界など知らない。
もうどうでも良い。
もうルナは戻らないのだから。
世界なんて滅びればいい。
「みんな、死ねばいい。」
ノアはルナの残したピンク色の魔石を握りしめて、ふらふらと立ち上がる。
「オートヒール」
切っていたオートヒールを発動すると、手の傷は塞がり泣き疲れた疲労感も回復した。
ただ、胸の痛みは消えない。
涙も止まらない。
ルナを失った辛さまでは、回復魔法では癒せないのだろう。
魔剣グラムを握りしめ、ルカが倒れているところまでよろよろと歩み寄る。
ルカは先ほどのノアによる魔剣グラムでの攻撃で気絶しているようだ。
倒れているルカへと近寄る。
よく見るとルナによく似ており、殺してしまおうと思っていたが躊躇してしまう。
「くそ...なんでだよ...」
ルカの真横に魔剣グラムを突き刺し、ノアは座り込んでしまう。
魔石を握りしめ、声を上げて泣いた。
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