Episode143
人物紹介を作成しました。
各キャラのイメージ画像もありますので、見ていってください。
人物紹介はepisode1の上に挿入してあります。
「...ノ..ア?」
「ルナ!?」
ルナが目を覚ますが、顔色も非常に悪く、やつれた顔で少しだけ目を開きノアの方を見る。
「ノア...そこに、居るの..か...?」
先程の攻撃により更に呪いが悪化しているのだろう。
ルナはノアの姿がすりガラス越しに見るように、視界がぼやけてしまっている。
「ルナ...僕が見えないんだね...呪いが、呪いが悪化しているのか。」
ルナはぼやける視界を頼りに、ノアの顔付近にやっとの思いで手を伸ばす。
力が入らず、震える手でノアの顔を触る。
触り慣れたノアの頬の感触が分かったのか、ルナの顔は少しだけほころぶ。
「ここに、居ったか...ノア。」
「うん、ここに居るよ...」
「ノア...見えん、のだ。返事を、して...」
「居るよ。ルナ、そばに居る。ずっとそばに居るよ。」
この様子では恐らく耳もほぼ聞こえていないのだろう。
ノアはルナを抱きかかえながら、聞こえるように大き目の声で返事をする。
「そうだ、血を。僕の血を吸って。」
ノアは自分の手のひらを噛み、出血させる。
勿論、瞬時に治らないようにオートヒールは切ってある。
「ほら飲んで。」
ルナの口に自分の血を垂らすも、ルナは咳き込み上手く飲んでくれない。
「なんで、ルナ、飲んで...飲めば回復するかもしれないだろ。」
ノアは、涙と鼻水が混ざったぐちゃぐちゃの顔でルナに問い掛ける。
「も...うよ..い。」
「なんで、諦めるなよ。ずっと僕の血を吸い続けるって言ったじゃないか。ずっと傍に居るからって、言っ...」
「あり..が...う。あ..し..る。」
ルナは精一杯の笑顔をノアに向ける。
「ルナ僕も...僕もね、ルナ...!?」
次の瞬間、ノアの顔を触っていたルナの手から力が抜け落ちる。
目からは光が完全に消え去り、もうそこにはノアは映っていない。
「ルナ...ねぇルナ.....」
ルナは動かなくなる。
ノアより身も心も強く、気高く美しい。
死からは一番遠い存在のルナが死んだ。
ノアは何も出来なかった。
治してあげることも、楽にしてあげることさえも出来なかった。
そして最後にルナが伝えてきた言葉。
上手く声に出せていなかったが、きっとそれは『愛してる』と伝えたかったのだろう。
二人は長い時間ずっと共に歩んできた中で、一度もこの気持ちを伝え合うことが無かった。
ルナは自分の最後が近いと悟り、ノアへと気持ちを伝えたのだろう。
ノアは最後にそれをルナへ伝えることが出来なかった。
こんなにも愛しているのに―――。
ルナは、塵となって消え去って行く。
ピンク色の綺麗な魔石を一つだけ残して―――。
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