Episode140
魔剣グラムを使用するにあたり別のデメリットも存在する。
それは精神力である。
呪具によっては使用中や使用後に精神力を大きく消耗する物もあり、魔剣グラムは生命力と共に気力も消耗するのだ。
精神力を消耗しきってしまうと廃人となってしまうだろう。
言わば心と命の両方を、消耗することでようやく呪具を扱えるのである。
粗末な呪具であれば力は弱いが、消耗も少ない。
魔剣グラムのような最上位呪具になると、消耗も極端に大きくなるだろう。
だが、この現状でそんなことを心配している場合ではない。
段々と本気を出してくるルカを相手に、ルナも次第に少しずつ押され始める。
すぐ回復してはいるが、被弾も増えており勝敗が付くのも時間の問題だろう。
「魔力変換。」
ノアは呼び出した魔剣を握ると、ルカへ向かって駆けるのだった。
魔剣グラムを装備してまず分かったことは、飛躍的に身体能力が引き上げられていると言うことだ。
いつも通りに前方へ駆けただけだが、想定外の所まで進んでしまった。
気付いたら目の前にルカが居り、勢いそのままでルカに頭から突っ込んだのだった。
「痛たたたた...」
「な、なんですか...?」
首を抑えて立ち上がるノアと、吹き飛ばされた際にロングソードを地面に突き刺し何とか着地したルカが対面する。
「さて、僕も参戦させてもらうよ。」
「何を言ってるの? このエサ風情が。 お姉さまの前の前菜として喰らってあげましょう。」
魔剣グラムを構えてやる気満々のノアに対して、喰らう気満々のルカ。
「ノア、お主戦えるのか...?」
ノアが剣を構えていることに、ルナは驚きを隠せないようで目を丸くしている。
「僕とルナの二人でなら勝てるかもしれないからね。」
「良いだろう。足を引っ張るでないぞ。」
ルナはニヒルな笑みを浮かべて、ノアの横へ並び立つ。
「さぁ、始めましょう。」
ルカはそう言うと更に一本追加でロングソードを生成すると、両手にそれを構える。
ノアが先に動く。
ルカに近づき間合いへ入ると横一閃、魔剣グラムはルナへと当たらずに空を切る。
右、左と次々切り込むノアだったが、ギリギリのところで躱されている。
そこにルナが間髪入れずに、血液で作った玉を無数に撃ち込んでいく。
だが、上手くロングソードで弾かれてしまい、ルカが被弾したのは数発程度だった。
その被弾したの傷も既に回復しつつある。
そこに更に追い打ちを掛けるようにノアが切り込むと、ルカはロングソードを二本クロスするような形で受け止めた。
ルカの真後ろへと回り込んだルナは、ルカの背中の肩から腰まで大鎌で深々と切り付けた。
「ぎゃあああぁ!!!」
反射的に反り返るように身体を動かしたルカの隙をつき、ノアは正面から魔剣グラムを振り下ろす。
「ぎゃあああああああ!!!」
ルカは斬撃を受け背中から大量の出血をし、胸からは血飛沫を上げたのだった。
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