表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

140/161

Episode136

翌朝、まだ夜明け前の暗いうちにノアとルナは馬に跨り、目的の場所へと向かう。


現場へと到着すると、見知った顔が出迎えてくれる。


「やあ、来てくれたか。」

「助かる。」


カイン王子と護衛騎士のレオである。


「おはよう。日が昇ったら攻撃開始かな?」

「こんなに大勢で取り囲んでは、中の者には既にばれておるぞ。」


ルナはそう言うと、呆れたと言わんばかりに腕を組む。


「そうかも知れないね。でも一体も逃さないようにするには、こうやって周囲を囲んでしまうのが一番かと思ってね。」

「ふむ。真祖とそれに変化させられた二世代は太陽光に耐性がある。だが逆に言えばそれ以下の世代は全て太陽光を浴びれば、忽ち燃え尽き灰へと変わるだろう。本来であれば朝日が昇り、日が落ちるまでが勝負だ。」


「うんうん?」

「本来であれば、な。」


「と言うと?」

「これだけ騒がしくしておれば、どんなに鈍感な奴でも五感が数倍に進化した吸血鬼(ヴァンパイア)であれば必ず気付くはずだ。だが、何故出てこない?今のうちに四散すれば逃げられる者も多かろうて...」

ルナは考え込む。


「何かを待っている? 今外に出ることが出来ない理由がある? そう言う罠か?」

「そうか、彼方にも何か事情があり時間を稼ぐ必要があると言うことか。」


「そうやも知れぬし、違うやもしれぬな。」

「ではどうする? 今突撃をかけるか?」


「それも、逆に誘われている気もせんでもないのう。中にはたっぷりの罠が待ち構えておるやもな。」

「うーん。」


「まぁ、どっちにしろ日が昇ればこちら側が有利になるのは明白だ。」


ルナは楽観的な発言をするのだが、その後に付け加えてカインとレオが青ざめる事を言う。


「敵に真祖が居ないことを祈っておれ。もし居れば、こんな軍なぞ小一時間で全滅するわ。」


今回、吸血鬼(ヴァンパイア)殲滅戦と称して集められた兵士の数はおよそ一万。


「この一万の兵が、一時間で全滅...するだと...」

「あながち間違っちゃいないと思うよ。カインたちとパーティーを組んでいた時なんてルナは本来の10%ほどの力しか出し切っていないのだしね。」


顔が引き攣っているカインに、苦笑いしながら同情するノア。


「あ、あれで10%だと!?」

カインの横で衝撃を受け、絶句するレオ。


それもそうだろう、二人は盗賊や山賊相手に無双するルナの姿が焼き付いているのだ。

それであれが10%しか出していませんでしたとカミングアウトされても、想像すら付かないだろう。


吸血鬼とはそういう者なのだ。

魔族とはそうなのだ。


人族などが計り知れないような存在であり、しかもルナはその吸血鬼の真祖。


原点にして頂点、吸血鬼の完全体であり最強の存在なのだ。


カインたちとはその後も少し話した後、ノアとルナは与えられたテントで日の出まで休むこととなった。

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!!

ブックマークと下にある★★★★★を押して、やまうさ(作者)の応援をお願いします。(*'ω'*)


既にブクマ、評価が済んでいる方はありがとうございます!!

凄く励みになっております( *´艸`)

感想やレビューも書いていただけると、非常に喜びます!


この作品を一緒に有名にしてください♪

次のお話も楽しんでいただけたら幸いです。


【作者Twitter】https://twitter.com/yamausayamausa

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ