Episode125
慌てて戻って来た受付嬢は息を整える間もなくノアたちの横まで来る。
「ハァハァ...ご案内...しま...す。」
それに従い付いて行くと、奥の応接室へと通される。
「おい、いきなりギルマスが会うってよ。」「そんなことあり得るのか?」「俺たちですら話したことないよな?」「お前は無いだろうよ? 俺はあるぜ?」「うるせーよ。挨拶は話したことにはならねーんだよ。」
「にしても、あのタッグは最強だな。」「あぁ、治癒出来る不死と最強の不死だからな...」「俺たちは仲良くしようぜ。」「あぁ、あんな奴ら敵に回したら命が何個あっても足りやしねぇ。」「同感だ。」「シバかれたい。」
その後ろ姿を見て、またもや冒険者ギルドは大いにざわついたのだった。
二人は応接室の中へと通されると、案内してくれた受付嬢とは別のキリッとした気の強そうな職員が待ち受けていた。
小慣れた手つきで温かい紅茶とカップに注ぎノアとルナの元へと運ぶ。
そしてすぐ追いかけるようにクッキーも運ばれてくる。
「何か御用がありましたらお伺いいたします。」
気の強そうな職員は、ノアの横で姿勢正しく待機している。
「う~ん。これは良い香りだ。アールグレイかな?」
「いえ、ダージリンです。」
「うぐっ。」
気を取り直してノアは香りを楽しみ紅茶に口を付ける。
「あぢ、火傷した。」
涙目になって、舌を出しながらルナの方を見る。
「こっちを見るな。」
ルナは笑いを堪えているようだ。
紅茶はまだ熱いと判断したノアは、一旦カップを置き積まれているクッキーを手に取り口へ運ぶ。
「んん!? このクッキーは、美味しいな。高級な物だね? すぐ分かったよ。」
「いえ、一般的な物です。」
「ぐはっ。」
またもや外したノアはクッキーが喉に詰まり咽る。
「ゴホッゴホッゴホッ...」
「のう、ノア。恥ずかしくないのか...」
ルナは腹を抱えて笑っている。
「ん?何言ってるのさ。普通に恥ずかしいよ?」
「だろうな。」
「ぶっ...」
この答えに関しては、職員も噴出してしまい三人は暫く笑ったのであった。
そこにノック音が響き、少々体格が良い中年男性が入って来る。
「おや、もう仲良くなったのかい?」
「ギルマス、この方たちは悪い方では無いようです。」
「そうか、リーファが言うならそうなんだろう。」
ギルマスの分の紅茶を入れ終えると、ワゴンを押して扉の方へ向かっていく。
「はい。では失礼いたします。」
そう言って、先程まで一緒に笑っていた職員のリーファが退室した。
「待たせてすまない。私がこの冒険者ギルドのギルドマスター:タルタスだ。」
「僕はノア。こっちがルナだ。シリウス王国の冒険者ギルドマスターの爺からの指名依頼でやって来た。」
「あぁ、ありがたい。助かる。」
「では早速、仕事の話をしようか。」
ノアは、また先程のように格好をつけるのだった。
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