Episode124
「もひもひひんひん。」
「口の中の物を飲み込んでから話しておくれ。」
そう言われると、ノアはムッとした顔をして飲み込む。
「それじゃあ、ギルドに行こうか!」
「そうだな。」
露店が並んでいる大通りを抜け、商業系の店が並ぶ通りへと歩みを進める。
「あ、あれだね。」
その中でもひときわ大きく目立つ建物が、冒険者ギルドだ。
帝国の冒険者ギルドは王国の物とは違い、真新しい。
少し前に改装工事が行われたらしく、綺麗で清潔感がある。
中へ入るとざわついていた店内が静まり返る。
先程の門番だった兵士がその後に門を通った冒険者にノアたちが来ていることを話し、そこから冒険者ギルドまで伝わったのだ。
ギルド内に居る冒険者や職員に緊張が走る。
「へぇー中も綺麗だね。王国も儲かっているんだから改装したらいいのにね。」
「ノアよ、お主周りの目は気にならんのか?」
「え、何が?」
「まぁ良い。」
ルナが呆れて居ると、目の前に大男が立ちはだかる。
「おい、ガキ共。ここはお前らみたいな子供が来るような場所じゃねぇんだよ。帰りな。」
若干酒の臭いが大男から漂ってくる。
昼間っから酒を飲んでいるのだろう。
「おおお! ルナ、これだよ! 王国では名が知れ渡ってしまって、中々こんなに清々しいテンプレって無かったんだけど、やっぱり国外っていいね。新鮮だね!」
ノアのテンションは爆上がりである。
「おい聞いてんのかクソガキ!!」
ノアに触れようとした大男が吹き飛ぶ。
床にバウンドを繰り返し、柱に当たって崩れ落ちた。
ルナが大男の顔の高さまで飛び上がり、回し蹴りを顔面に放ったのだ。
だが、ルナが本気でやってしまっては大男の頭が弾けてしまい、せっかく綺麗な冒険者ギルドが赤色に染まってしまうのでかなり手加減はしたようだ。
「あ~駄目だよルナ。もう少し楽しみたかったのにー。」
少し膨れっ面になるノア。
「だって何かウザかったんだもん。」
少しお茶目な言い訳をするルナにノアはため息をつく。
「キャー!! し、死んでますっ!!」
冒険者ギルドの職員が大男の安否確認をしたのだろう。
首がポックリ90度に曲がっているのであれは死んでいると一目で分かる。
「ほらぁー色々事が大きくなっていくじゃんか。」
ノアは大男に近寄ると治癒魔法をかけた後、蘇生魔法で生き返らせるのだった。
「アルティメット・ヒール...リザレクション。」
大男は何事もなかったかのように息を吹き返す。
すると、それを見ていた冒険者や冒険者ギルドの職員がざわつき始める。
「おい、見たか今の。」「あぁ、確と見たぜ。」「これは、ヤバいな。」「本当に実在したんだな。」
「あぁ、間違いなく不死王だ」「生死さえも意のままに操ることが出来ると言うあの伝説の...」「と言うことは、あの怪力幼女はまさか...」「間違いねぇ、吸血姫だ。」「蹴られたい。」
そんなことはお構いなしで、カウンターへと向かう二人。
「ギルドマスターに会いたいんだけど。」
ニコっと愛想笑いをするノアに、受付嬢は「ヒイィッ! 少々お待ちくださヒィッ!」と顔が青ざめながらも、奥に駆けていったのであった。
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