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Episode123

帝国までの旅が10日間ほど続いた。


ある時は小さな村の宿屋に泊まって、堅い布団で一緒に寝た。

ある時は大雨の中、洞窟で寒さを凌ぎながら抱き合って過ごした。

ある時は―――。


現在二人は、帝国の二つあるうちの一つの大門で入国審査の順番を待っている。

至る所で奴隷が荷物を運んだり、罵声を浴びせられたりと少し前の王国のようだった。


王国ではカイン王子率いるノブレス・オブリージュの活躍もあり、奴隷制度が撤廃された。

奴隷として売りに出されていた者達は、王城か大貴族の元で雇用されることとなった。


子供の奴隷に関しては、大貴族からの出資で大規模な孤児院が併設され、そこで成人するまで手厚く面倒を見てもらえるようになった。

まだまだ抜け穴や至らぬ点もあるが、国王が感心する程度にはこの件は上手くいったのではないだろうか。


それでも満足していないカイン王子は、これからも奴隷撤廃に力を入れていくと共に、他国にまでこれを広め最終的には全世界で奴隷と言う身分を無くしていきたいと言っていた。


自分の代で叶わぬなら、次の代で。

それでも叶わぬのであれば、その次の代で。


そうやって政策は代々と引き継がれていくものなのだと言っていた。

その証人としてノアを指名したのだ。


だが、ノアは普通に断った。

「ヤダね! なんで僕が何代にも渡って、王家の御守りをしなきゃいけないんだよ。」


そう言ってカイン王子と笑い合ったのがつい最近のようだ。

時の流れとは早く残酷なものである。


そう考えると、同じ時の流れで生きるルナは、最高のパートナーと言っても過言ではないだろう。


「あ~長いのう。もうクタクタだ。」

「いやいや、ルナさんや。さっきまで僕の背中で寝てたじゃないか。」


「覚えておらぬ。」

「何て奴だまったく。」


門番の兵士さんが、手招きしている。


「次ー。来い。」

「おっと、呼ばれたようだ。」


ノアとルナは揃って冒険者ギルドカードを見せると、兵士の顔色が青ざめていった。


「こ、これは大変お待たせいたしました。申し訳ございませんっ! どうぞ中へお入りくださいっ!」


「ありがとう。」

「なんだ、もういいのか?」


二人は今までの者との扱いの違いに驚きながらも入国したのであった。


「おい、どうした? あんなガキ二人に敬礼までして、昨日の酒が残ってんのか?」

「やめろ!馬鹿野郎! あの二人は元SS級冒険者パーティー:ノブレス・オブリージュの不死王(ノーライフ・キング)吸血姫(ブラッティークイーン)だぞ! 下手なことすればこっちの首が飛ぶだろ!」


「まじかよ、若すぎる... 初めて見たぜ。」

「今日当番で良かった... あ、サイン貰えばよかったクソッ!」


ノアとルナには聞こえない大きさで話す門番たちだった。


先ずは露店だ!


肉焼きに、肉サンドに、肉汁である。


肉三昧を堪能しているノアの幸せそうな顔を眺めて微笑んでいるルナは、まるで恋人のそれのようであった。

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!!

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既にブクマ、評価が済んでいる方はありがとうございます!!

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次のお話も楽しんでいただけたら幸いです。


【作者Twitter】https://twitter.com/yamausayamausa

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