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Episode118

最初は一方的に狩られていただけの人族であったが、遂に軍が動き出す。

国が吸血鬼(ヴァンパイア)の存在を認め、殲滅する判断を下したのだ。


様々な方法で炙り出され殺されていく吸血鬼(ヴァンパイア)たちだったが、それは全て始祖に血を分け与えられた眷族たちであった。

眷族たちは心臓か頭さえ潰せば殺すことができるのだ。


ルナの妹であるルカは吸血鬼(ヴァンパイア)の真祖でありながらも、時間をかけて吸血鬼(ヴァンパイア)の特性を研究し知識を豊かにしていった。

動物の血液でも、満足感は低いが何とか生き永らえることが出来ることも発見することが出来た。


だが、姉の吸血鬼(ヴァンパイア)、ルナは欲望に忠実であった。

便利だからと、ルカに習った覚えたての魅了で獲物(人族)を誘い喰らった。


喰らえば喰らうほどに力は増していき、最初は人を殺すことへの少しばかりの罪悪感があったが、今では罪悪感など微塵も感じないほどに理性が欠如したバケモノとなっていた。


吸血鬼(ヴァンパイア)からしたら、人族なんて人族から見た牛や豚みたいな物だ。

今ではもう動物の血液を飲んで、森の奥でひっそりと暮らしたいと言うルカの言葉は届かないだろう。


もう、私では彼女を止められない。

取り返しのつかないバケモノへと姉は成り果ててしまった―――。


実の姉の姿に絶望したルカは、動物からの吸血()()しなくなり、そのせいで次第に身体は弱り衰えていった。


身体を動かすことすら、満足に出来なくなったところまで衰弱したルナは自分の心臓に銀の短剣を突き刺し二度と起きることの無い深い眠りにつく。


ルナが喰らいつくした小さな町で、ひとり孤独に―――。

それを発見したルナは何を思ったのだろう...


その後も各地でルナの噂が飛び交っていた。

無差別に、吸血し殺す。毎晩それを繰り返す毎日...


ルナにとっては、食事をしているだけだが町では血液を大量に抜かれた死体が少なくても一日に一人は出るのだ。


ルナは血液を自在に操ることが出来るようになり、血液で出来た大鎌を振るい人を真っ二つに両断することや、槍状の血液を飛ばして岩をも砕くことも出来た。


対して人族側は彼女に傷を与えることが出来ても、自己治癒能力が非常に高く瞬く間に傷が回復してしまうので正攻法では倒すことが出来ないでいた。


遂に軍が本気を出すこととなる。

民家で休んでいたルナを家ごと遠距離から砲撃したのだ。


だがルナは、死ななかった。

何とか逃げ出し身体の一部が欠損してしまったがすぐに再生した。


眷族とは違い、始祖はそう簡単には死なないのだ。

左腕と左足を消し飛ばされた幼女が、怒りに身を任せ軍を壊滅させるにはそう時間はかからなかった。


それから数年後、各地を転々としていたルナだったが一人の子供を襲ったことで転機を迎える。

いつも通りに街中の裏路地へと子供を連れ去り、ゆっくりと首元へと歯を突き立てる。


「んっ...」

ゴクッゴクッ...


なんて濃厚な血液じゃ...


魔力持ちの人族はこれまでに何人も吸血してきたが、この子供の血液はひと味違う。

とても濃厚かつ芳醇でそれでいて後味が重すぎずさらっとしている。


「んはっー...」


しまった、つい夢中になって大量に飲み過ぎてしまった。

これだけ吸血すればこの子供も死んでしまっただろうか。


こんなに美味な血液は味わったことが無い。

出来れば少しずつ楽しみたかった、家畜として飼ってやっても良かったかも知れない。


これで終わるのは非常に残念だが仕方が無い、明日はこの子供の家族でも探して喰らうか。

そういえばどんな顔しているのじゃ?


!?


この子供生きている!?

それもこちらの目をジッと見つめているではないか。


有り得ない、この量を一気に吸血すれば人族など簡単に死んでしまうのだ。

ルナが驚愕していると子供が話しかけてきた。


「初めまして、かわいい吸血鬼(ヴァンパイア)さん。僕の血美味しかった?」

最後まで読んでいただき、誠にありがとうございます!!

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