Episode107
「「おおおぉぉぉぉぉぉ!!」」
ことの重大さを理解していない低ランク冒険者や、王国軍は勝利の歓声を上げる。
ノアはシュヴァルツに抱えられ、ルークはクロエが抱え壁の外へと降ろす。
あれだけの魔物にもビクともしなかった氷の壁も所々溶けて崩れてしまっているのでクロエが瞬時に気化させ消し去る。
それにすら歓声が上がる始末である。
レイナの隕石を見た後のルークは難しそうな顔で考え込んでいるようだ。
「ノア。この十万の魔石をもらっても良いかい?」
「うん、良いよ。撒くんだね?」
「あぁ、話が早くて助かるよ。」
そう言うとルークはクロエに何かを話すと、氷で大きな階段のようなものを作らせた。
その最上部へとルークは登ると、ぞろぞろと集まる大勢へ向けて声を上げた。
「王国軍と王国騎士団の諸君、ご苦労だった。次の給与に賞与として報酬を上乗せしよう。そして冒険者の諸君、この度はこのスタンピードを終結させるべく依頼を受け集まってくれてありがとう。感謝する。今回は我が友人であり、国の恩人となったクラン黒薔薇の協力によって魔物の大群を殲滅することが出来た。だが冒険者の君たちは報酬を期待してこの依頼に参加した者も少なからず居ることだろう。よって、今回のこの十万体の魔石は私がクラン黒薔薇より買い取り、今ここに居る者で分け合いたいと思う。まだ地形が変形し熱を持っている場所もあって危険だが、それ以外の場所はもう既に歩けるだろう。早い者勝ちだ、魔石を拾え!」
「「おおおぉぉぉぉぉぉ!!」」
冒険者たちは歓喜し走っていく。
その中には白夜のメンバーの姿もあった。
「流石ですね、サクッと十万体を殲滅しちゃうなんて。お疲れ様です。」
壁の外で待機していたアリアと黒天、王国騎士のレインが続々とこちらへ合流してくる。
「うん、上手くいって良かったよ。」
そう言ってノアはアリアたちにひらひらと手を振る。
「しかし、こういう時って昔から上手いよねルークは。流石王子だね。」
「そうでもないさ、今は君たちクランが強すぎて恐怖の対象へとなってしまう可能性があるからね。その前に考えさせる時間を与えずに追加報酬をチラつかせて気持ちを逸らすのが最善だと思ってね。」
「まぁ、僕は何と思われようが良いけどね。」
「私が嫌なんだよ。ノア。君はいつも陰ながら私や国を救ってくれているが、国民がそれを知らないんだ。君の正体もね。」
「こらこらやめてよルーク。それは言わない約束だろ? 僕はノア・ブラック・ローズが気に入っているんだ。」
「そうだろうね。そんなに美女に囲まれて、今が一番幸せそうだよ。」
そう言われてノアは後ろを振り向くと、レイナにシュヴァルツ、クロエやアリアに黒天も集まってきており、ルークの言う通りすっかりハーレム状態だ。
「はは、僕は縁に恵まれてるね。」
ノアを取り合いイチャイチャを始める彼女たちを見ていると、何も考えていないであろう彼等が羨ましく感じるルークであった。
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