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Episode105

クロエが氷で作った『Ω』の形をしたトラップ最奥の壁の上で待ち構えるのは、クロエ、レイナ、シュヴァルツにセシルとオリバーが後からゲート到着し計5名となった。


やって来る魔物の数を考えるとこれでも戦力不足だろう。

そこに更にゲートが開き中からノアとルークが出てくる。

このゲートはメニダが開いたもので、彼女は向こう側で待機中である。


「おぉ、これは凄い...この氷この技術...卓越しているっ!」

作戦内容を聞いてはいたが、実査にこの氷のトラップを目の当たりにすると、規模感が大きすぎて息を吞むルーク。


「どう皆?順調かな?」

辺りを見回し目をキラキラとさせているルークを放置するノア。


「えぇ、順調だわ。」

「うん。後は入って来るのを待つだけ。」

「私は先に降りて竜に戻っておきますね。」

クロエ、レイナ、シュヴァルツの三人は答える。


シュヴァルツはトラップの中心へ降り立つと、今の人間の姿へと変化したときのように真っ黒の繭に包まれる。


それを食い入るように凝視するセシル、オリバーそしてルーク。


「あの子がシュヴァルツかい?見た感じ普通の女の子にしか見えなかったけど...」

「まぁ見た目はね。良く見とくといいよ。」


真っ黒の繭は少しずつ肥大化していき中から繭をブチ破り禍々しい魔気をまき散らしながら黒竜が姿を現した。


GYAOOOOOOOOOO!!!


「あれが...シュヴァルツの本来の姿なんだね...」

震えるルークにそっとノアはキュアをかける。


「す、すまない。想像していたものを遥かに凌駕する竜王が目の前に現れて、正直今私は驚愕しているよ。」

キュアで落ち着いたルークは興奮交じりにノアへと話しかける。


「これは...」

「竜王、凄まじいですね。」


額から嫌な汗を流し、シュヴァルツを凝視するセシルとオリバー。


「あれは広範囲にブレスを撃つために竜の姿に戻っただけで、タイマンで戦うなら人の姿で竜化したほうが断然強いよ。」


シュヴァルツは魔力を前方のトラップ入口へと向って貯めだす。

入口からは既に魔物が流れ込んできており、シュヴァルツと入口の間に魔物を引き付けるために置かれた大量の動物の死骸に群がりつつある。


シュヴァルツは高濃度魔力ブレスをトラップの入口に向って放つ。


放たれたブレスは動物の死骸に群がる魔物から、トラップ入口まで埋め尽くす大群を全て溶かし尽くした。


地面もかなり抉られており、ブレスが高温のため抉れた部分は溶けた硝子状となっており、非常に高火力だったことが見てわかる。


「なん...だこれは...」

「あの時私たち下手したら死んでたわね。」

「あぁ、これは勝てない。」


ルークと魔族二体はこの光景に呼吸を忘れるくらい見入っていた。


シュヴァルツは氷の壁の上まで飛び上がり、黒い繭に包まれると人の姿で繭から出てくる。


「ざっと一万ほどいけたでしょうか?」

「うん十分だね。いい感じで数を稼げたかもしれないね。」


「それは良かったです。」


そう言うとしれっとノアを後ろから抱きしめ匂いを嗅ぎ癒されるシュヴァルツ。


この子も段々とスキンシップがエスカレートしてきているなと感じるノアであった。

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