Episode104
「今回は何でわざわざ、ルーク直々に戦場へ出向くことにしたのさ?」
「率先して王が動かねば、国は動かないのだよ。」
「あ~退屈してて、これは息抜きのチャンスだって思ったんだね。」
「悪いな~悪いよその言い方。僕が娯楽のために来たみたいじゃないか!執務が溜まっていてもう城から抜け出したかったんだよもう!」
「そうだろね。実際軍だけ派遣したら良かったんだし。でも危険だよ? ルークを狙う奴も少なからず居るんだし、今回もそうかもよ? 目的地はここ、王国なんだから。」
「まぁね、それでも結局私は戦場へでていたさ。それにノア、君と話したいと言う気持ちもあったんだ。」
「それなら、城へ呼んだら良いよ。」
「何言ってるんだ、君は城へ呼んでもいつも来ないじゃないか。いつも!」
「そうだっけ? イザベラがこき使うから忙しいんだよ。」
「それはそうかも知れないけれど。父上も久しぶりに会いたがっていたよ。」
「そうなの? それなら今度少しだけ顔を出すよ。」
「ノアの今度は何年後なのやら...」
「分かった分かった、この件が終わったら行くよ。丁度欲しい物もあったしね。」
「欲しい物? 魔剣はダメだよ? じゃあ気長に待ってるよ。さあ行こうか。」
「はぁ、スタンピードに王子が出向くなんて、前代未聞だよ...最悪ルークだけでも守るか。」
ノアはそう言ってルークにオート・ヒールをかける。
「おぉ。これはありがたい。」
二人はテントの外へと出ると、ルークのお抱えの王国騎士レイン・ウィンストンが出迎える。
「ノア様お久しぶりでございます。王子お待ちしておりました。転移陣の準備が整いましたので移動をお願いいたします。」
コバルトブルーの綺麗な髪をまとめ上げ、王国騎士専用の白銀色の鎧を身に着けている。
剣の腕も剣神レイナに次ぐ実力であり剣王の称号を与えられているほどの強者であり、剣神レイナの愛弟子である。
過去には修行の一環として、レイナの妹弟子である閃光のペネロペの元で冒険者パーティー蒼天に所属しており、個人としてもSSランクまで上り詰めたこともある。
幼き頃に行われた貴族参加の王城でのパーティーにてルークを見初めたレイン。
王国三大貴族でもあり、元々親同士が決めた婚約者でもあったのだが、今のままではルークにとって只のお荷物でしかない。守られるだけの存在にはなりたくないと言う強い想いが彼女を動かし婚約破棄をする。
将来専属騎士となるべく血の滲むような努力するレインの姿を見兼ねたルークが、ノアに頼み込みレイナの弟子にしてもらったのだ。
現在では、王国騎士団に所属しておりルークの専属騎士でもあり、破棄した婚約は新たに結び直され婚約者として大貴族の令嬢としても忙しい毎日を送っているのだ。
三人は先ほど軍が整列していた場所まで歩きながら話をする。
「お、久しぶりだねレイン。また美人になったね。」
「滅相もございません。あの、お師匠様が魔王になられたと聞いたのですが...」
「あ、そうだね。性格とかは全然変わってないんだけど、簡単に言うと魔族となって旧魔王から力を全て受け継いだことにより魔王を継承してしまったんだ。今度手合わせしてみたら?びっくりするよきっと。」
「凄く強くなられたのでしょね。それは楽しみです。ハァハァ。」
息を荒げて興奮しているレイン。
あぁ、コイツ戦闘狂だったな、そう言えば...
二人をみてクスクスと笑うルーク。
ノアは彼女を見てあからさまに引いていたのだが、それに気が付いたのはルークだけであった。
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