Episode103
目の前で整列している兵士の数は1万人。
レイナたちが魔物に大技を繰り出して大半は消滅すると仮定しても、そこから逃げ出すと予測されている魔物の数が約1万体。
それにぶつけるためのシリウス王国軍の精鋭兵士一万である。
冒険者であるところのCランク以上の者のみで編成されており、ゴブリンやウルフであれば一人でオークであれば二人~三人で対処出来るであろう。
現在確認されている中で最も数が多いとされている魔物はゴブリン、ウルフに次いでオークだ。
稀に筋骨隆々でオークの三倍の強さとされ一回り大きなオーガや、自己再生能力を持ったトロールなども目撃されている。
オーガやトロールには少々苦戦するだろうが、囲んでしまえば何とか討伐出来るだろう。
だがどうであろうか、実際対人に優れていても対魔物となった時にこの中の何割の兵士が普段通りに動けるだろうか。
ノアは少しの懸念材料を残し、呼ばれている王子のテントまで足を急がせる。
「失礼いたします。ノア・ブラック・ローズ様がお越しになっております。」
「通せ。」
テントの外に立っている見張りの兵士によってテント内へと通されるノア。
「よく来たなノア。」
「やぁ。半年ぶりくらいかい?久しいね。」
金髪のミディアムヘアで女性を見間違えるくらいのイケメンが両手を広げて嬉しそうにしている。
「今回も国のために動いてくれて助かる。」
「自分の国だからね。そして動かなくても、ルークが泣きついて来るのも目に見えていたしね。」
二人はこぶしを突き合わせて挨拶を交わす。
「うぬ。今回の件は少し厄介なことになるかもしれないね。」
「そうだね、このスタンピードの黒幕が一体誰なのか、だね。」
「そう、帝国か、邪心教徒か。魔族ではないよね?」
「うん。イザベラから報告は行っていると思うけど、レイナが魔王を継承したからそれは無いと思うよ。末端の行動までは分からないと思うけど、摩天楼の最高幹部のセシル・ティレモア、ナンバーⅡのオリバー・ブラウンはレイナに付いているしその他の者ともセシルがこまめに連絡を取り合っているみたいだしね。」
「そうか、それだと残るは...エルフ...はプライドがかなり高いからこのような卑怯なやり口は好まないだろう。となると、帝国...いや邪心教徒か...」
「奴らは何処にでもいて何処にもいないからね。一般人に溶け込むのが上手過ぎて洗い出せないのが現状だよね。昔教団をたくさん潰して回ったことがあったんだけど、30年足らずで元の規模まで戻っちゃったんだよね。定期的に潰さないとダメかなぁ。」
「さらっと恐ろしいことを言うよねノアは。まぁゴキブリみたいなものさ。一人見つけたら近くに十人は居るってね。」
「奴らの使う神術とやらもかなり胡散臭いんだよね。あれは魔法の類ではないと思う。」
「そうなのかい?実際に見たことが無いのだけど、どのようなものなんだろうか?」
「分からないけど。何か人外の力を感じたよ。呪いとか、そっち系かなぁ。」
「それは怖いね。」
「全然怖そうに見えないけどね。」
ルークの機嫌の良さに違和感を感じるノアだった。
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