Episode101
翌日、王国では朝から緊急事態を知らせる警鐘が鳴らされた。
十年に一度鳴らされるかどうかの警鐘が朝からなったのである。
住民は大慌てで外に出て紙を拾い上げる。
鐘が鳴ると共に街中に号外が撒かれたのだ。
それにはこのように書かれていた。
・このシリウス王国に十万の魔物が押し寄せていること。
・それの討伐へ参加する冒険者をギルドにて募集していること。
・王国軍や街の兵士は本日が非番の者も臨時出動せよとのこと。
・非戦闘員は家に閉じ籠るようにと外出禁止命令が発令されたこと。
冒険者ギルド前の広場は普段であれば、露天や人で溢れているが現在は王国屈指の冒険者が集まって居た。
「たかが魔物だろう?」「そうだそうだ。」「束になれば何とかなるだろ。」「どうせゴブリンやオークが大半だろ。」「雑魚じゃねぇか、ははは」「大袈裟なんだよ。」「そりゃあれだろ、軍の連中は魔物対峙なんてしたことねーもんな」「俺たちの専売特許だしな」「さっさと終わらせて成功報酬ぶん取ろうぜ」「おめぇーは飲み代に消えるだろうがよ」「ちげーねぇ」「がっはっは」
特設された...と言っても只の木箱が積まれただけのステージの上に一人の男が立つ。
「えっと、皆さん本日はお集まりいただき...」
搔き消される男の声に、横に居るローブの女がため息をつき、天高く手をかざすと...
「ファイヤーボール!」
ドゴォォォォオン!!!
広場の頭上で弾ける火の玉を見て、はたまた弾ける音を聞いて、騒いでいた冒険者たちが静かになる。
「おいぃ、糞共。おめぇ等を戦地で指揮すんのが俺たち白夜だ。逆らった奴から殺す。とっとと殺す。分かったか? フリッツ、始めろ。」
「はぁ、しょうがないねエンツォは。皆さん本日はお集まりいただきありがとうございます。SS級冒険者パーティの白夜です。今回の作戦は最近新設されたクラン:黒薔薇を全面サポートすることになります。まぁ一言で黒薔薇と言ってもどんな連中なのか見当もつかないと思いますので、二人ほど有名な者の名前を上げさせていただきます。一人目はかの有名な剣神レイナさんです。」
「は?剣神レイナがクランに加入?」「ありえねぇ」「嘘だろ?」「どんなパーティーに誘われても絶対に入らなかったあの剣神レイナが?」「一匹狼なのかと思ってたぜ」「剣神レイナを落としたのは何処のどいつだ?」「あいつ、嘘ついてんじゃねーのか?」「馬鹿野郎、白夜だぞ?」「そうだSS級が嘘なんかつくかよ」「剣神レイナに踏まれたい。」
レイナの名前が出た瞬間にざわつく冒険者たち。
「二人目は不死王ことノア・ブラック・ローズです。」
「不死王だと?実在したのか?」「実物見たことねぇ。」「ブラック・ローズ?ってことは不死王がクランマスターか?」「死なない奴が作ったクランか。」「剣神レイナに不死王か、他にはどんな化け物が居るのやら。」「羨ましい。」
「彼ら黒薔薇が大半は倒してくれるでしょう。ですが、必ず逃げ延びる魔物が出てくるはずです。我々はそれを確実に一体たりとも逃さず打ち取らねばなりません。戦地へはギルド職員等の助けを得て、転移魔法で移動します。そして、何と言っても成功したらギルドと国王からも報酬が出るとのこと! 皆さんの活躍を期待します!!」
「「「おおぉぉ!!!!!」」」
報酬が期待できると沸く冒険者たちだった。
その後、地獄のような体験をすることになるとも知らずに...
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