Episode100
「っていうかさー、それ十万くらいならどこかに集めたら纏めて倒せないかな?」
お腹一杯な上にデザートまでたいらげてお腹が苦しいノアは気だるそうに皆へと投げかけた。
「クラン総出で行けばギリギリ可能かと思います。」
「お、シュヴァルツどうしたらいいかな?」
「先ずはクロエさんの氷魔法で魔物を誘導する壁を作り、地形と氷の壁を上手く使い一つの場所へと追い込みます。次に追い込んだら退路を断って、レイナさん、クロエさん、私で各々の大技をそこの十万体へとぶつけます。それでも勿論討ち漏らしが出ると思いますので、全ての戦闘員を導入し各個撃破していただくという算段です。個々の戦力の面ではこちらが有利ですが、数では圧倒的に負けるでしょう。なので今王国に居る戦闘員をすべて集めて最終的には殲滅戦へと移行する形となるでしょう。クロエさんの氷の壁の作りこみ次第では打ち漏らすことなく終えられるかと。移動は全て魔族のゲートや転移魔法で行います。説明は以上です。」
「「おぉ~」」
自然と拍手が舞い起きる。
「レイナ、クロエ、シュヴァルツは大技一撃でどれだけの数を撃破出来るものなの?」
「私は、何体っていうより広さによるわね...密集していれば、ん~大体三万ってところかしら?」
クロエは適当に指を三本立て、それをヒラヒラとこちらに振る。
「私は直線でしか数を稼げないので、竜に戻った状態での高濃度魔力ブレスで精々一万ですね。」
それを見たシュヴァルツも指を一本立てる。
「どれだけ倒せるか分からない...」
レイナは多分未だ魔族の力を把握しきれてないのだろう。
「レイナさんの最近のあの感じでやれば...五万は堅いのではないでしょうか?」
「五万も...いけるかな。」
「ふむ。規格外の内容過ぎて付いていけていないのだが、その話が上手く行けば残り一万の魔物と、我々は総当たり戦となるわけだな?」
「まぁね、出来るだけこっちで数は減らしておくつもりだけど...各自の大技後にはうちのクラン全員が中へと突入するから、白夜に他の冒険者を率いてもらって更に打ち漏らしが外へと出てきた場合に撃破をお願いしようかな。」
「私たち黒天もノア様にお供いたしますわ!」
「うん、頼りにしてるよエリー。」
「うむ。話も纏まったようだし私はギルドへ戻り緊急依頼を発令する。シリウス王国の存亡が掛かった大きな戦いになる。みんな分かってはいると思うが、気を引き締めて臨んでくれ。」
イザベラはそれだけ言い残すとそそくさと歩き出す。
「あ、ルークにたんまりと謝礼出せよって言っといて。」
「あぁ、王子にはそう伝えよう。では。」
一度立ち止まったイザベラは再び歩き出す。
ノア、死ぬなよ―――。
そう、言葉にすることもなく。
「さぁ、適当に頑張ろうか~。」
「まぁ何とかなるわよねぇ。相手は只の魔物だし~。」
「そうですね、最悪私たちだけでも逃げましょう。」
「頑張る。」
「み、皆さん私は救護班として後方に居ますからっ!」
「レイナ様だけは何としても守ります。」
「送迎は私の転移魔法にお任せください!」
「わたくし、黒天の皆に声を掛けて来ますわ~!」
各自ノアの適当な感じに染まって来たのか、レイナ以外は割と適当に返事をしているようだ。
こうして、ノアは目覚めて間もないのにも関わらず、戦闘へと赴かなければいけなくなったのであった。
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