Episode6
「ファイアブレスがくるぞ!」
「任せろ!!ヘイクソトカゲこっちを見ろ!!」
翼竜の放つファイアブレスはジークの盾によって阻まれる。
ウィリアムはジークの後ろへ滑り込むとすかさず魔力ポーションを飲み干す。
「フォイアボール!!」
ファイアブレスを放っている間の隙を逃さず、そこに丸い炎の玉が飛んでいく炎魔法を放つ。
ギュルルルゥゥゥ!!
翼竜の右顔面にヒットしたファイアボールで右目を潰すことに成功する。
「向かって左から攻めて!ヤツの右目は潰したわ!」
「おうよ!」
言われた通りに翼竜の左側から大剣で翼を斬りつけるウィリアム
「浅い!!」
ジークは右側でヘイトを引きながら少しずつ体力を削る。
「リリーが魔力を練っています!!デカいのが来る!10秒後散開してください!」
「ヒール!!」
シンシアはジークの軽火傷を治療しながら叫ぶ。
「3・2・1・散って!!」
その言葉と同時にウィリアムとジークは飛び退く。
「メガフレア!!」
翼竜を中心とした約直径5メートル程の炎の魔法陣が形成される。
魔法陣は瞬時にドーム状の炎で包まれ、中では約五千度にもなる炎が渦を巻く。
炎のドームは10秒程で消滅し、あたりに熱風をまき散らした。
「良くやった、皆大丈夫か?」
「ああ、しかしリリーの魔法があると大分楽になるな。」
ジークの問いかけにウィリアムが答える。
「ええ、あの人達が来てくれなかったらちょっと厳しかったわね。」
数日前、依頼を受け現地に赴いたS級冒険者パーティー紅は予想以上の翼竜の量に魔力切れを起こしポーション類も使い果たしてしまっていた。
依頼を放棄することを決め、撤退を開始したがあちこちに翼竜が徘徊しており運悪く戦闘になってしまう。更にもう1体の翼竜が現れ2体の翼竜に挟み撃ちに合う形となったのだ。
辛うじて1体を倒し、残り1体の翼を破損させ洞窟に逃げ延びたのである。
その時タンクであるジークは上半身に大火傷を負い、アタッカーのウィリアムは左手を食い千切られた。
メイジのリリーもヒーラーのシンシアも外傷こそないが、魔力切れを起こし酷い貧血の様な症状だ。
そこに安置を探していたノアが現れたのだ。
「あれ、君達もしかして、S級の紅かな?」
破れ、焦げ付きボロボロの格好をして真っ青の顔を向けてきた女2人と、意識なく倒れている男2人、こりゃ壊滅寸前じゃん。
S級がここまで追い込まれるってどんなんだよ。帰りたい。
「キミどうやってここに来たんですか!?」
「外に翼竜は居なかった?追われてないわよね!!?」
女2人がギャーギャーうるさいのでとりあえず安心させてあげよう。
「アルティメット・ヒーリング」
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