佐藤事業所
佐藤事業所が所有するのは一つの宇宙、つまり一つの次元だ。それが意味するのは一定の速度で拡大を続けるため、資産額がほっといても際限なく増えていくという点だ。これは他の事業所にない大きな利点だ。神様は佐藤真一殿に大変な異能を授けたものである。佐藤事業所の宇宙にあるのは現在一つの恒星とその周りを回る群のみである。太陽系と違うのは同一の軌道上に複数の惑星があるということだ。これにより特に作物を作る分野においては作付け量を増加させることが出来るので利点が大きい。そして工業系の分野は岩石やガスなどを用いるから宇宙空間に漂っている小惑星や人がとても住むことが出来ないような惑星の資源を使うのが良い。だから佐藤事業所は生産設備を備えた巨大な宇宙船を使用し、そして様々な惑星に採集ポッドを送って工業製品の生産を行っている。
工業製品は高く売れる。鉄一つ取ってもインゴットの状態で保有するのと自動車などに加工して売るのとでは価値に雲泥の差がある、その差が数千倍に及ぶことも珍しくない。食料品もその点で似ている。小麦の状態で売るのとパンの状態で売るのとでは価格に大きな開きがある。これを料理店で提供されるような料理にすればその価値は大きく上がる。
異空間銀行の口座の特徴として預け入れを行ったものに関しては時間が止まる為、例えば出来立ての料理を預け入れれば引き出されたときの状態は預け入れられたときの状態となる。これは資産を増やすという目的においてすごく有用な手段だ。