シャイニングソード
「どういう事かしら」
アルマの顔が少し真剣になる。
「私が第二王女様の気配を探れるのはさっき言ったわよね」
「ええ。でも迷彩魔法で気配が消されているんでしょう?」
「そ。でも(眷属である)この男の魔力と身体を借りれば私の探知能力を高められるの。多分迷彩魔法も突破出来るわ」
「俺の魔力……と身体?」
残念だが生まれてこの方魔法なんて使ったことが無い。確かにあと10年くらいで称号が魔法使いになるけどな! 忍者なのに!
「アンタが眷属になった時に受けたのは呪いだけじゃない。エーテル族特有の魔力も同時に分配されてるの」
なるほど。つまり俺の身体がレイラに反応するって事なのか。決していやらしい意味ではなく。
「んんっ! 初耳! 僕も知らない初耳! ねえどうやるの! どうやるの! 教えてクー君!」
さっきまで寝ていたエドが飛び起きて来た。よくしゃべるヒトデだな。
「うるさい!」
「くぃん!」
クーに尻を蹴り上げられたエドは、気味の悪い悲鳴を上げた。
「それで妖精さん。貴女の条件をお聞かせ願おうかしら。レイラを探し出す代わりに、私に何かして欲しいんでしょう?」
「流石お姫様。察しが良くて助かるわ」
エドのケツから飛んできたクーが言った。ごめん、ケツから何か出たみたいな言い方になったわ。
「私とこの男を牢獄から出して。それで貴女の妹さんを見つけてきたら他の全員も開放してほしいの。必ず三日以内に戻って来るわ」
「面白い条件ね。でも、その期限内に見つける事が出来なかったら?」
「その時は牢獄に残っているみんなを好きにしてもらっても構わないわ」
「お、おいクー! そんな条件でもし見つけられなかったら……!」
「大丈夫、絶対に見つけられるわ」
クーは俺の顔を見つめた。絶対に、なんてそんな軽々しく言うなよ。相手の戦力も不透明だし、もしミスったらフィアールカたちの命が危険に晒される。決断に困った俺の手を誰かが握った。
フィアールカが俺の方を見て笑っている。いつもの挑発的な笑顔とは少し違う、包み込むような優しい笑顔だった。
「カッペー、私は貴方の事を信用しているわ。だから安心してお姫様を助けに行ってちょうだい」
言葉とは裏腹に手のひらが汗ばみ、震えているのを感じた。本当は不安なのに俺を出そうとしてくれている。信じようとしてくれている。それなら男の俺がここで日和るわけにはいかない。俺は手を握り返した。
「心配するな! いざとなったら私がいるさ」
ボニーが俺の肩を叩いた。そうだ、こっちにはボニーという名の最終兵器がいる。こいつなら牢獄を素手でぶち破ることも出来るのだ。二人の言葉で俺は決心を固めた。
「分かった」
俺は顔を上げ、アルマの顔を見据えた。
「お願いします。ここから出してください。必ずレイラ様を生きて連れて帰ります」
俺の顔を見たアルマはとても愉快そうな表情をしている。
「分かったわ。貴方と妖精さんを出してあげる。でも私、約束を守らない人って大嫌いなの。必ずレイラを連れ帰ってね」
アルマは目の奥で笑っていない。その決して感情を悟らせまいとする表情はうちの総隊長を彷彿とさせるものがあった。
「それじゃあ始めるわよ、カッペー」
あと何気に彼女から初めて名前で呼ばれた気がする。
「分かった。で、どうするんだ?」
「私がアンタの中に入るの」
「なるほど。いやなるほどじゃねえ! 中に入るって何!?」
「な、何変な想像してんのよ! 私だって好きでアンタの中に入るわけじゃないんだからね!」
クーは顔を真っ赤にしてキャンキャン叫ぶ。いや一番いやらしい想像をしているのはお前じゃないのか、というのは言わないでおく。
「す、すまん。それで俺は具体的に何をすればいいんだ?」
話が進まないのでとりあえず謝った。息を荒げていたクーも、だいぶ落ち着いて来たらしい。
「アンタはじっとしてればいいの。私がやるんだから」
「そうは言われてもなあ」
しかし俺が戸惑っているのなどお構いなしに、クーは呪文を唱え始め、しだいに白い光に覆われ始めた。クーは呪文を詠唱しながら俺の方に近付いてきて、まるですれ違うように俺の胸の中に吸い込まれていった。……本当に大丈夫なのか、これ。
「カッペー、聞こえる?」
クーの声がした。外から聞こえる気もするし、自分の思考の声のようにも聞こえる。とても不思議な感覚だ。
「聞こえるぞ。これで探知が出来るようになったのか?」
俺は声に出して返事を返してみた。すると隣のフィアールカが不思議そうにこちらを見たので、彼女の声は俺にしか聞こえていないのだろう。
「意識を集中させて。レイラの事だけ考えるの。そうすればセンサーが反応して居場所を示してくれるはずよ」
俺は目を閉じ、意識の中でレイラの記憶をかき集めた。レイラ……。気の強いお姫様だったが、今は捕まって怖い思いをしているに違いない。必ずレイラも助けてやりたい。
その時、俺の中から何か身体が軽くなるような、そして鳥肌が立つような高揚感が湧いてくるのを感じた。
来る。来た! たった今俺の新しい力が目覚めようとしているんだ!
俺は滾る力とともにカッと目を開いた。その瞬間、俺の股間から目のくらむほどの眩い光が一直線に牢獄を飛び出した。壁さえも貫かんとするほどの激しい光が股間から。そう。
チ〇コが光ったのである。
「何じゃこりゃあああああああああああああああああわ!!!!!」
つづく
光る股間に導かれしファンタジー




