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三十二話 エドウィンのバイト先

前回までのあらすじ

僕はお嬢様の呪いの手掛かりを見つけるためエルフの国へ行きました。そこで石板を見つけたのでギルドへ持って帰りました。楽しかったです。

 

 リザードテイルに戻って来た俺たちはエドウィンの働いている店を訪れていた。席で彼が来るのを待ちながら俺は一抹の不安を抱えていた。果たしてエルフの読めなかった古代エルフ文字をエドウィンが解読できるのだろうか。

 確かにあいつは誰も知らないエーテル族の歴史や、古代遺跡の扉を開く方法を知っていたりした。

 だが一見エドウィンは単なる中年フリーターと変態ストリッパーを兼任する世にも奇妙なおっさんである。


「おいカッペー、あそこで怒られてるのはエドウィンじゃないか?」

 ボニーが指差す方には厨房があり、そこで中年の男が頭を下げていた。よく見ると対面にいるのは店長のようだ。

「エドウィンてめぇ注文間違えんなって何回言ったら分かるんだ!」

「すいません! すいません!」

 うわあ……。リザードテイルに帰って早々見たくないものを見てしまった。


「どうやったらピザとカルパッチョを間違えるんだよ!」

「い、いやその、他の注文とごっちゃになっちゃって、最終的に頭の中でピザパッチョになってしまって」

「ピザパッチョって何だよ馬鹿たれ!!!」

「おっ、落ち着いてくださいピザパッ長!」

「誰がピザパッチョだオラァ!」


 エドウィン凄ぇ。間違い方も謝り方もアグレッシブ過ぎる。あれじゃ店長が怒るのも仕方なさそうだ。

 ちなみにフィアールカは興味なさそうに外の景色を眺めていて、ボニーの視線は同情的にエドウィンへ向けられていた。

「なあカッペー、ピザパッチョって美味しそうだな。ちょっと注文しよう」

「そんな料理は無え」



「おやおやおやぁ! そこにいるのはカッペー君にフィアールカ君にボニー君じゃないか!」


 俺たちに気付いたのか、エドウィンが早足で俺たちの方へ駆け寄って来た。石版の件が無ければ全力で他人のフリをしたいところだ。俺は壁に立て掛けて置いていた石版を指差して言った。


「お前の言う通り地下遺跡の隠し通路を進んだら本当にあったよ」


 その瞬間エドウィンの目がカッっと見開かれ、その手で制服のエプロンを脱ぎ始めた。


「脱がなきゃ!」

「止めろよ! 何だその使命感は!」


 俺がエドウィンの両手を封じると、たちまち店中の注目が俺たちに集まる。


「俺たちは外で待っておくから、バイトが終わったら来てくれ」


お読みいただきありがとうございました。


お待たせして申し訳ありません。

と言いながら、ストックが無くなったらまた連載が止まる予定です。

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