二十六話 どっちに進む?
不思議なことに隠し通路には松明が掛けられていて、青白い炎が不気味に俺たちを照らしている。この炎はいつから燃えているんだ? まさか5000年前からってわけじゃないよな……。考えれば考えるほど不気味である。
真っ直ぐ伸びた隠し通路を進んでいくと、やがて二手に分かれる通路の手前に行き着いた。
「カッペー、どっちに進む?」
「どっちに進むって言ったって……」
二手に分かれているということは、どちらかが正規の通路で、どちらかがハズレということが考えられる。どっちを選べば良いんだ……。
「二手に分かれて進むのはどうかしら?」
フィアールカは先に続く通路を見つめながら続ける。
「だって二つのうちどちらかだけが、石版のある場所に繋がっているかもしれないじゃない。三人で一つづつ通路を調べていたら二度手間になるかもしれないもの」
「お前の言うことは分かるが、それだと何かトラブルがあった時に困るんじゃないか?」
するとフィアールカは口に手を当てて笑い始めた。
「サルワタリもボニーも、並大抵のアクシデントで死ぬほど弱くないのではなくて?」
俺とボニーは互いに顔を見合わせた。確かに俺はこの先何が出て来ても生き残れる自信がある。ボニーに関しては、むしろやられる所を想像できない。
「じゃあ、どう分けようか」
するとフィアールカが俺の腕を強く抱きしめた。これを引き離すのは相当大変そうである。……別に柔らかい感触が当たっているから引き離したくないとかそういう意味ではない。
困っているとボニーが俺の肩を叩いた。
「よし、それじゃあ私が左に進もう。カッペー達は右を進んでくれ」
ボニーはフィアールカより大人のようだ。
「どっちかが石版を見つけられるか競争だ!」
そう言ってボニーは勢いよく走り抜けて行った。その後ろ姿を見ながら
「やっと二人きりになれたわね」
とフィアールカが呟いた。
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