7、氷の公爵の笑み
投稿できておりませんでした....(´;ω;`)
夜ーー
フランシスは執務室へ向かった。これから領地の仕事を片付けるためである。
執務室に入り、いつものように机の上の書類と格闘していた。
すると、ドアを叩く音が聞こえる。時間を確認すると1日の定期報告の時間である。
そのため、フランシスは入るように返事を促した。ドアの外にいるのがヨハンだと思ってーー
「失礼致します。」
それは女性の声ーーメイド長のジーンであった。ジーンがこの時間に来ることは珍しい。
珍しいこともあるもんだ・・・と思いながら、フランシスは彼女を招き入れた。
「ヨハンと相談致しまして本日は私が報告に伺いましたが、宜しいですか?」
「ああ、問題ない。頼む。」
フランシスは手を止め、ジーンの報告を聞いていた。
たまに疑問などや助言を挟むが、大体は静かに聞いていた。
しかし、次のジーンの言葉で彼は非常に驚くこととなった。
「洗濯に使用している魔道具の件ですが、洗剤を液体に変えるのはどうかとの案がメイドより出ました。」
その言葉を聞いたフランシスは目を見開いた後、大きなため息を付いて頭を抱えていた。
普段とは違う様子のフランシスを見て、冷静なジーンも慌て始めた。
「だ・・・旦那様!?どうされました?」
その言葉に答えるように、フランシスはため息をつく。
これはヨハンを呼ぶべきかーーーそうジーンが考えていたところ
「その手があったか・・・洗剤を変える、なぜ思いつかなかったのだ・・・」
フランシスは単純な事に気づけなかった自分に頭を抱えていただけであった。
フランシスが頭を抱えていた理由が分かったジーンは、彼が落ち着くまで見守る事にした。
そして数分が経った頃、フランシスがジーンに問いかけたのだ。
「ちなみにその案は誰が?」
ジーンは少し躊躇っていた。
ヨハンから昨日のブリジットの挨拶の件は知っている。
ここでブリジットの名は出すべきではないのでは、と一瞬思うも覚悟を決める。
「ブリジット・ベルジェです。」
その名を聞いたフランシスは、満面の笑みを讃えていた。
「ああ、やはり彼女か。流石だな」
ジーンは久しぶりに見る彼の笑顔を見て固まっていた。
そして昨日のヨハンの発言を思い出す
あの旦那様が笑顔なんて・・・と半信半疑だったジーンは
昨日のヨハンの言っていた出来事が正しい事に気がついたのだ。
・・・これもヨハンに伝えなくては。
彼女は気を取り直して引き続き、報告を行う。
そして最後に一言。フランシスにとっては爆弾を投下していくのである。
「ちなみに本日の寝室担当は、モニカとブリジットでございます。私も確認致しましたが、問題はございませんでした。何かあれば、こちらにご指示頂けますよう、お願い致します。」
礼をして立ち去るジーンに、慌てて返事を返したフランシス。
その後、執務室の中でフランシスは頭を抱えていたとか、抱えていないとか。
主人公有能説、フランシスに伝わればいいなと思いますが.......汗
明日は気温差が激しそうです、体調に気をつけて下さいね!
予定では次話は明日の18時頃投稿します。