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3、手紙

「あ、長官。良いところに。こちら貴方宛です。」


 フランシスは現在、王宮内で仕事をしている。彼の職は外交官である、外交官長として手腕を振るっていた。そんな彼に、偶然やって来たのであろう文官から手紙を預かっていた。

  

「長官宛に珍しいっすね。何が書かれてるんすか?」


 部下のバッカスがいつものような軽い言葉でフランシスに声をかける。


「バッカス、いつもお前は言葉が軽いと言っているだろう、直すように」

「はい、承知しました!」


 と注意しても明日には口調が元に戻っているバッカスであるが、外交場面では言葉を選んで話しているので、そこまでフランシスも強く言うことはなかった。

 だが、今回注意したのは手元にある手紙の内容を見られるのは、不味いと思ったためだ。


 バッカスの用が終わったらしく、失礼しましたと声をかけてドアが閉められる。これでも彼は空気を読む男であるため、フランシスの意図をきちんと読み取れていた。

 手紙の裏を見ると、封をされている部分に紋章が入っている。3つ百合の紋章だ。この紋章を使えるものは、王族しかいないのである。


 封を開け手紙を見ると、彼にとっては想定通りのことが書かれていた。


「やはり……こう来たか。」


 その手紙にはポスフォード侯爵家とカノヴァス公爵家の間で、使用人の交換制度を利用した交流を行う、と書かれていた。指定はされていなかったが、勤続年数が若い者をの交流を、と指定されているため指名されているようなものだ。


「こちらにとってはありがたいお願いではあるがな。」


 そして我が家の者をポスフォード侯爵家に招いても、問題がないと判断したのだろう。それだけフランシスを侮っているのか。もしくはブリジットを手に入れたいからか。


「まあ、どうであっても相手の良いようにはさせるつもりはないからな。ジョエル、聞こえるか?」


 フランシスは耳につけていた青いイヤリングに魔力を与えた。するとイヤリングからジョエルの声が聞こえたのだ。


「いきなり驚くな。ちょっと待ってくれ…………大丈夫だ、何かあったか?」

「侯爵が動いた、通信機と追跡魔道具を早急に仕上げるぞ。」

「期限は?」

「1ヶ月だ」

「了解」


 理解と仕事の早いジョエルであれば問題ないだろう、そう思いながら彼は仕事に取り組むのであった。


 フランシスは外交官で情報通です。


次話は明日更新予定です!

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