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1、魔道具 ①

第二章始まりです。

 社交パーティーから数ヶ月が経った。彼女は今やカノヴァス家にはいなくてはならない存在となっている。

それは使用人として、だけではなかった。


「ブリジット、また提案が通ったみたいだね、凄いー!」



 一緒に掃除をしていたモニカが話しかけてきた。

そう、彼女は魔道具についていくつかフランシスに提案をしていた。

 フランシスにとっても、思いの外良い提案だったらしく、彼の仕事が忙しくない時はブリジットを執務室に呼び出して、魔道具の議論をするくらいであった。

 そして、最近は魔導師であるジョエルも同席することが多い。アイディアを実現するためには、私も聞かなくてはいけない、と思ったらしくフランシスに同席を願い出ていると聞いた。



「今度は、居場所が分かる追跡魔道具のアイディアだったんでしょー?思いつくのが凄いよ!」


 興奮しているのか先程から、凄い!としかモニカは言っていない。

そんな彼女を見て、微笑ましく思ったのだろう、ブリジットにしては珍しく微笑みを讃えていた。



「そんな事ないですよ?思いつくアイディアを形にできるお二人が素晴らしいと思います。」



 にこりと微笑んだブリジットに見とれながらも、でも、でもと言い彼女は褒め続ける。

余りにも褒められ続けたブリジットは、恥ずかしさなのだろうか顔を真っ赤にしていた。




「ジョエル、どうだ?」



 カノヴァス公爵家の地下でフランシスとジョエルが魔道具の制作に取りかかっていた。



「うん、いいね。このアイディアは他にも使える可能性がある。ブリジットさんの発想力には恐れ入ったよ」

「ああ、手放したくないものだ」


 フランシスはブリジットを思い出しているのだろう、目を細めて物思いに耽っているようだった。人前で、しかも自分の前でさえもあまり物思いをすることがないフランシスを見たジョエルは少し驚いていた。



「それだけ彼女が有能だから、なのかな。それとも……」



 ニヤニヤとフランシスを見ていたジョエルに気が付いたのだろう。フランシスは緩んでいた顔を引き締め、いつもの無表情に戻そうとする。



「いいよいいよ、どうせ僕しかいないわけだし。でもその顔じゃ、氷の公爵とは言われなさそうだね」



 彼は笑いながらフランシスに指摘する。どうもフランシスにもその自覚はあったようだ。その言葉を聞いた後は彼の目線から逃れようと、顔を背けた。

 珍しいフランシスの様子にニヤニヤと、面白いものを見つけたと言わんばかりの笑みを向けつつも、彼は引き続き魔道具に集中していった。

 魔道具を作成したら彼がちょっかいを出してくるはずです!

ここで出てくる道具は今後も使用されるのでお楽しみに。


ストックがなくなってきたので、毎日投稿が厳しいかもしれませんがなるべく頑張ります。

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