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21、パーティー前日 ②

投稿できていませんでした( ;∀;)

 静まった廊下をヨハンと歩いている。

フランシスの執務室に向かうのはこれで三度目になる。

ブリジットは今回の訪問については億劫で仕方がなかった。


 二度の訪問で、彼はブリジットに対して終始鼻で笑う態度なのだ。

その態度をやられている本人は、たまったもんではない。

しかも今回に関しては、ヨハンは案内のみで執務室には一人で行かなくてはならないのだ。ブリジットにとっては苦痛であった。

 ちなみにヨハンは執務室近くの部屋に用事があるからと、途中まで一緒に歩いてくれている。

それがブリジット自身を落ち着かせる事が出来ていたため、ブリジットはヨハンに感謝をしていた。


 その中、ヨハンは執務室近くの部屋のドアに着いたため、ドアの前で立ち止まった。

そして後ろを振り向き、ブリジットに向かい合う。

 急に向かい合った彼に驚きつつも、ブリジットも同じ様にヨハンの顔を見つめた。

見つめあって数秒ほど経ったくらいに、ヨハンがニッコリと微笑み、ブリジットに声をかけた。



「ブリジットさん、いきなりで申し訳ございませんが、旦那様の事を優しく見守っていただけませんか?」



 そう言われたブリジットは目を丸くする。

ブリジットはヨハンが何故この様な事を言ったのかが分からないため、少し首をひねりながらも、どの様に答えるべきかを見つけられないでいた。

 そんなブリジットを見てヨハンは微笑む。



「旦那様が貴女にあの様な態度を取ってしまうのは、照れ隠しなのかもしれません。良く言いますよね?

好きな子ほどいじめたくなる、と。」


 前者は甚だ疑問であるが、後者は良く言われる事だ。ブリジットは後者の問いかけに返事をする。

ブリジットは半信半疑な様子で、ヨハンの次の言葉を首を傾げながら待っていた。


 

「ブリジットさんに対しての旦那様の態度は宜しくない、という事は伝えさせて頂いております。

なので、以前の様にはお話しされないと思いますが・・・何かありましたら教えてください。」



 その言葉に唖然とするブリジット。使用人が主人に物を申す事はほぼ無い、と言われる世界だ。

主人に物を申せば、すぐに首を切られる。今でもこれが使用人の合言葉と言われるくらいである。

その中でさらっとヨハンは、フランシスに物を申したと伝えた。

正直なところ、ブリジットは何故ヨハンが首を切られていないのかが分からなかった。


 その気持ちを読み取ったヨハンは、にこりと笑いかける。


「ああ、旦那様は変わったお方です。むしろ、何かあれば言ってくれ、と昔から言われているんですよ」



 滅多に物を申す事はないのですけどね、と笑いながらヨハンは呟いている。その顔は嬉しそうだ。



・・・二人には強固な信頼関係が築かれているのね。



 とブリジットは感じる。フランシスが照れ隠しをしているかどうか、はさておき、少しだけ気持ちが軽くなった気がした。



「ありがとうございます。」

「お礼を言われる程ではありません。ああ見えて旦那様は対人関係が少し苦手なのです。」

「あら、その様には見えないのですが・・・」

「仕事が関係していれば、その知識量と情報量があるので問題ないのですが・・・。」



 仕事が絡んでいない対人関係は・・・と濁すヨハンに彼女は、思わずクスッと笑ってしまった。

そして、彼女は思う。



ーーー少しくらいはフランシス様の印象を見直しても良いかもしれない。

   この後の彼の行動で、かな。



 と、これから会う相手を冷静に見てみよう、と心で決めるのだった。



フランシスのデレをかいてみました。

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