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20、パーティー前日 ①

本日は短めです。

 1ヶ月の訓練期間を終えた。明日はカノヴァス家主催のパーティーが行われる日。

最後に今までの確認として、昼間より明日のパーティーのリハーサルを行なっていたところである。

この日ばかりはフランシスも休みを取り、給仕や執事の立ち振る舞い、料理の最終確認等を行なっていた。

 

 そんなリハーサルも順調に進む。

今は、様々なトラブルの想定も考え、トラブルが起こったらどう対応するかを確認していた。

 

 ステージの手前にあるテーブルに、当日は裏方を担当する者たちが優雅に食事を始める。

ちなみに、彼らは様々なトラブルを考えつくだけ起こすよう、フランシスに指示されている。

この様なトラブル対応の手際の良さも給仕や表にたつ執事の力量、最終的にはフランシスの力量が見られるのである。

 だからこそ、彼らはフランシスの評価を下げる事がないよう、一生懸命給仕を担当するのである。



 トラブルの対応の仕方の訓練も終わる。

今回のリハーサルはあっさりと終わったらしい。以前給仕を行なったことのあるベルが言っていた。

ジーンからは、よく出来ました、というお褒めの言葉と明日の注意事項を伝えられ解散となる予定だった。

 ジーンの言葉が終わったあと、ジーンがフランシスを立てるよう、後ろへ下がる。

そしてフランシスはジーンに小声で感謝を伝えたのち、



「さて、明日はパーティーになる。今日感じたことを個人に伝えたい。ヨハン、一人一人執務室に呼んでくれるか?」

「畏まりました」

「その他の者は、ゆっくり休む様に。明日も頼む。では解散。」



 フランシスの顔は無表情であるが、言葉から少しだけ優しさがにじみ出ている。

その言葉を聞いた使用人たちは、頬を少し赤くしながらも喜んでいた。



ーーー旦那様の様な美形のイケメンに労られたら嬉しいに決まってる。



 ブリジットは以前モニカが言っていた言葉を思い出した。

正直なところ、氷の公爵、と言われるくらいなので使用人に興味はないのでは、と実は疑ってかかっていたブリジットだったが、そうではない事をこの場では感じていた。



・・・少しはいい人なのかもしれない



 最初の印象がマイナスだったが、今は意外と悪い印象ではない。

だが、どうしても自身に対する暴言だけは、まだ許せていなかった。



・・・無愛想でいいから言い方に気をつけてくれないかしら。



 とフランシスを遠目で見つめた後、他の侍女たちと共に使用人の談話室に戻るのであった。

次話は明日投稿予定です!

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