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18、前世返りとは ①

「二人とも、そこまでにしてあげたら?」



 声のする方を見やると、そこにはヴェラがいた。

何を聞いているか分かったのだろうか、彼女は苦笑いをしている。



「いやー、まさかブリジットが恋愛に疎いとは思いませんでしたねー」



 モニカがニコニコとした顔で話す。完璧な彼女しか見ていなかったため

苦手があるブリジットに、さらに親近感が湧いたのである。



「じゃあ、最近流行りの恋愛小説も見ていないのかしら?」

「恋愛小説?」



 最近使用人のメイドの間で、ジョゼが愛読している恋愛小説が流行っている。

結論を言うと流行らせたのはジョゼである。

その恋愛小説は巡り巡ってやっと最近ジョゼに戻ってきたのだが、

あのジーンも、「面白かったわ」と言って返してきたくらいなのである。



「その恋愛小説は、前世返りがテーマなの。」

「前世返り?」

「へえー、ブリジット知らないの?

 前世返りは前世の記憶を思い出すことを言うんだよ!」

「そう、その小説は前世の記憶を持った二人が、今世でも結ばれる話を描いているのよ」



 ジョゼが目を輝かせてその小説について教えてくれた。

それを熱心に聞いていた様にブリジットが見えたのか、「今貸すから」

とちょうど返ってきたらしい小説を貸してくれたのである。


 ブリジットは余り小説を読まないが、この小説には興味を持った。

なぜなら、目の前でジョゼとモニカが面白いところを話してくれたし、

あのジーンも面白かったと言って読んでいたのだから。



「ありがとうございます、ジョゼさん。お借りします。」



 こうして初めて恋愛小説を読む事になったブリジットなのであった。




 翌日、その日は丁度休みの日であった。

休みの日だからと言ってパーティの訓練がないわけではない。

ただし、それは夕方以降になるため、その日は夕方までは時間が空いていた。


 ブリジットは朝起きて支度を整えてから、部屋の掃除など身の回りのことを行なった。

が、いつもと同じ時間に起きているため、午後になる前に全て終わってしまったのである。



「最近はジーンさんのお陰で調合も行なっているし、今練習する必要もないわね」



 何をしようかと、考えていると目の前に昨日借りた恋愛小説があった。



「折角ジョゼさんに借りたわけだし、今日読んじゃいましょうか。」



 と彼女はジョゼから借りた本を読み進めるのであった。




 小説に没頭し数時間後、外を見ると日がやや傾きかけていた。

ブリジットが思った以上に面白く感じたため、気がついたら全て読み終わっていたのである。



「うん、これは皆憧れるわね。」



 運命の人と前世から繋がっていて、その人と運命通り結ばれる

このシナリオは女性にとっては憧れる要素の一つである。人気が出る理由も分かる。


 だがその一方で、彼女には憧れ以外の感情も芽生えていた。



「これはあくまで小説だし、読み物としてなら面白いと思うわ」



 感想を聞かれたらどう答えようか、そんな考えを頭に巡らせながら、彼女は考えに耽っていた。

 ブリジットは今回初めて恋愛小説を読んでます。(裏設定)

小説よりも論文とか、入門書とかを好んで読んでいたタイプです。


次の更新は明日、時間は未定ですが次話を投稿する予定です。

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