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17、ブリジットの弱点 ②

 翌日、ジョゼはモニカと仕事をしていた。

たまに喋りながらではあるが、手際は非常に洗練されている。

伊達に公爵家のメイドを何年もやっていない。


 モニカはジーンの訓練が気になる様で、よく内容を聞いてきたのだ。

勿論、それは次にジーンから指名された時のためでもあった。

その流れの中で、ジョゼはモニカに昨日のことを話したのだ。



「ブリジットに弱点とか、苦手なものがないかって話をしていたのだけど」

「え?ブリジットに苦手なことなんてなさそうだけどねえー」

「仕事ではなさそうなのよ」

「やっぱりねー」



 ケラケラと笑っていたモニカは、満面の笑みをジョゼに見せている。

そう、ジョゼはこれを狙っていたのだ。

少しでも自分の仲間を増やしたい、その一人として彼女を選んだ。

 そしてその想いに見事モニカが乗ってきたのである。



「折角だから、ブリジットの苦手なこと見つけようー」



 と意気込みながら二人は仕事を始める。

残念ながら、直ぐにブリジットの苦手なことが見つかるとは・・・思ってもいないだろう





 仕事終わり、モニカとジョゼが使用人の談話室に向かうと、何やら騒いでいる声がする。



「どうしたの?」

「ああ、ジョゼじゃない!ついにアリアが・・・」

「ええ!?アリアがまさか?」

「そう、そのまさかなのよ!」

「アリアとダニエルがやっと付き合うことになったらしいの!」



 この二人に関しては、屋敷の中でも仲睦まじい姿をよく見られていた。

正直なところ、ジーンやヨハンも公認の中である。

それ程、この屋敷の使用人の中では当たり前なことであった。


 その輪の中に入り、彼女たちはアリアにお祝いを述べる。

アリアは恥かしそうに、照れ臭そうにお礼を述べて、部屋に帰っていった。


 その輪の中にはブリジットもいたのだが、何やら様子がおかしい様に見える。

そんなブリジットを引っ張り出してジョゼとモニカは彼女に話しかけた。



「ブリジット、どうしたの?何かソワソワしていないかしら?」

「えっと、アリアさん達の事知らなくて・・・」

「「ええっ!?」」



 そう、ブリジットはアリアとダニエルの事については何も気づいていない様だった。

むしろ、仲が良かった、で終わらせていたらしい。



「あれー?ブリジットと一緒に仕事していた時も、たまに見かけたきがするけどー?」

「ええ、彼女達は休み毎にデートしてるはずだから、よく見かけたわ。」



 むしろ最近は隠してなかったのだけれど、とジョゼは思っていたのである。



「んー、もしかしてブリジット、恋愛に疎いんじゃなーい?」



 と笑顔でブリジットを見つめるモニカ。

まるでその笑顔は、みーつけた、と言わんばかりにニヤニヤと笑っている。



「確かに、昔から「お前は鈍感だ」とよく言われていましたね・・・」

「そうだったの?ブリジットなら仕事みたいに細かいところに気づきそうなのに」



 勿体無い、とジョゼは思った。

ブリジットの美貌と有能さであれば、男性なんて選り取り見取りだと思うのだが。



「もしかしてブリジット、恋愛した事がないのかしらー?」



  モニカは首を傾げ、ブリジットとジョゼが聞こえるくらいの小声で聞いてみる。

すると、顔が少し真っ赤になる。その顔を隠すかの様に彼女は俯く。


 その姿を見た二人は、ブリジットの苦手なことと、可愛らしさを改めて思い知らされたのであった。


 小説をあまり読まなかったり、男性と関わることの少なかったため、ブリジットは恋愛に疎いです。

他にもいくつか些細なことが苦手としていますが、今後出てくるのかは知りません(笑)


次は明日、18話を投稿します。

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