11 こんな感じでいいか?
必要な物を全て買い終えたため、俺達は部屋の飾り付けをするためにコレットを連れて魔王城に戻ってきた。
「ここに来るのは2度目だけど、相変わらず誰もいないのね」
コレットの疑問はもっともだと思う。この前の式典である程度魔王軍の人々を見かけたからな。魔王達と会って話している姿も。
⋯⋯だが、だからと言って彼らがすぐにこちらに戻って来れない。
「まあ、魔王軍の大半は今の社会に普通の人として溶け込んでいるからな。そう簡単には戻って来れないってよ」
「ふーん」という生返事。
コレットは、今部屋の壁にリースを付けている。⋯⋯俺も集中して、さっさと終わらせるかな。
「そういえば⋯⋯あれからチャイドとは何か話したのか?」
別に沈黙に耐えきれなくなったわけではないが、ただ純粋に気になったから聞いてみることにした。
「ああ⋯⋯2日に1回は会って話してるわ。試練が終わった翌日から『ふたりの考えを擦り合わせていこうネ!』って言われて⋯⋯たまに鍛錬もしてもらっているわ」
へぇー。
(そういうのが普通なんだな)
(まあ、色々やり方があるがな)
ついでに、シルフも聞きたい事があるらしい。
「それで、お前らふたりの関係はどうなんだ?」
「えーっと⋯⋯比較的良好? ⋯⋯だと、思うわ⋯⋯よ?」
ポツポツと、返答するコレット。
「本当か〜?」
意地の悪い笑みを浮かべて、シルフが再度確認する。
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
コレットが口を開こうとしない。ならば! 追撃を仕掛けるのみだ。
「良好って、ほんとでござるか〜?」
「〜〜〜!! なら、翔太はどうやって仲良くなったわけ!?」
逆ギレに近いテンションで、コレットがこちらに話を振る。
ていうか俺かよ! シルフに聞くべきだと思うんだが⋯⋯。まあいいや、言ってしまおう。
「えーっとな、まず俺は街へでて、騎士達から泣きながら走って逃げていたこいつを誘拐するだろ? それで魔王城の一室で半日以上一緒に遊んでた。⋯⋯で、夜は風呂に入れて、1人用のベッドで寝た」
俺はあまり思い出したくない記憶があるため、突っ込まれないように早口で一通り説明する。
「「⋯⋯」」
シルフがムムッと、唇を尖らせる。コレットの方は「うわっ」と小さく言って、軽く引いている。
⋯⋯言い方が悪かっただけだよな。うん、きっとそうだ。
「いやー、あの時のシルフは可愛かったな。『ふええ⋯⋯』とか『見て見て翔太くん! 出来たよ!』とか言ってたのに⋯⋯」
「いや、そんなことこれまで一言も言ったことがないが!? あと、『くん』付けとかしたことないんだが!?」
オチを付けて、飾り付けに戻ることにする。
「⋯⋯ちなみに、どう? 参考になったか?」
「いや全く」
即答だった。
⋯⋯もう少し考えてくれても良かったんだよ?
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