幕間その1 「たーまやー!」
「はぁ⋯⋯」
俺は広々としたバルコニーでたそがれる。
「人⋯⋯多かった」
「お疲れ様です」
「周りからの視線が鬱陶しかったな」
隣のチトセに労われ、シルフが率直な感想を言う。
「誰の責任だ誰の!」
「え? ⋯⋯翔太じゃろ?」
「あなたが『一緒に花火を見よう』とか言い出したからでしょ?」
エリシャとコレットが俺に責任を押し付けてきている。⋯⋯いや、発端はそうだけども。
「その後シルフ大先輩が並べられた料理を片っ端から食べていき、皆さんがそれぞれお偉いさん方に見つかって挨拶されていたからだと思うんですけど⋯⋯」
そうだそうだ。ヒノデ、もっと言ってやれ。
ただでさえ両手に花ならぬ両手に花束な状態で目立ってたのに、よくわかんないお偉いさん方から一瞥をもらって緊張したんだぞ!
「まあまあ⋯⋯ほら、もうすぐで始まりますよ」
チトセが後ろを振り向き、それに合わせて俺も首だけ向ける。
「おお⋯⋯」
会場の天井が動いて、よく晴れた夜空を眺められるようになる。
ちなみに、俺達はなんだかんだ言って料理を一通り味わったので、バルコニーに陣取って花火のみを楽しもうとしている。
花火が上がる方向に向き直り、改めて今夜の空を眺める。
「⋯⋯月が、綺麗だな」
「翔太君⋯⋯それ、誰に向かって言ったの?」
「⋯⋯あ。いや、別に深い意味はないから!」
チトセにツッコまれ、焦る俺と、きょとんとするシルフとチトセ以外の女性陣。
「それより、本当に色々あったよなー。そろそろ俺は寝たいんだけど⋯⋯」
ふわぁ、と大きな欠伸を1つつく。
「私ももう眠いぞ⋯⋯」
シルフもウトウトしだした。⋯⋯おっと、それは困る。
「いや、お前は起きろよ。この後の俺が大変だろ」
「うーん⋯⋯別に風呂は入らなくてもいいし⋯⋯」
「良くない。はたき起こしてでも入れるからな」
俺とシルフがそんな会話をしていると、隣の夏蓮から声をかけられた。
「ずっと訊かないでいたんだけどさ⋯⋯翔太達ってお風呂とかどうs―――」
「一緒に入ってるみたいですよ」
「え?」
「は?」
「ん?」
「⋯⋯おい」
チトセが即行で答えた。⋯⋯俺が制止する暇もなく。
「ついでに一緒のベッドで寝ています。⋯⋯一緒の!」
「ちょ⋯⋯!」
そこを強調すんな!
「「「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」」」
うう⋯⋯。なんかさっきの周囲の人より痛い視線だ。
そんなふうに修羅場のような雰囲気が形成された直後――――――
どぉぉぉぉーーーーん!!!!
⋯⋯⋯⋯と、花火が夜空に打ち上がった。
「た、たーまやああああぁぁぁぁーーーー!!!!」
俺は空気を一掃すべく、力の限り叫んだ。
⋯⋯この後追求されまくったことは言うまでもない。
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……予告通り投稿できず、すみませんでした。
明日は、任せて下さい!(フラグ)




