2 回想
ハアハアと息を切らせながら走り続ける。
コレットのお祖父さんに眷属を任せ、俺は今瞬間移動を使いつつ、走っている。
(まだ着かないのか⋯⋯?)
そろそろ俺も体力を温存しておきたいところなんだけど。
(いや、もうすぐだぞ)
もうすぐ、か。
⋯⋯その声を聞いて、俺は少し油断してしまったのかもしれない。
「うわっ!?」
少し凹凸のあるところで、つまづき、転んでしまった。
「? なんで、あの人と結婚したのか⋯⋯ですって?」
―――夢を見た。先日見たものとは違い、あまりにも生温い夢だった。
「そりゃあ、ひたむきに頑張るあの人の姿に惹かれたからよ」
と答えているのは、コレットの母親だ。
コレットの祖父は戦闘の鬼才、その娘も負けず劣らずの才能に恵まれていて、いずれも土の大精霊チャイドの契約者だった。
そんな家系に産まれた普通の子⋯⋯それが、コレット・アガルダだった。
祖父や、母親のような才能を持っていなかった彼女は⋯⋯それでも、賢者を目指すことを決めたようだ。
土属性の魔法適性が一切ない彼女の妹がいじめられているのを見た時から―――
「いてて⋯⋯」
(大丈夫か?)
「おう」
まったく、異世界の事情なんて、地球と同じでめんどくさいことこの上ないな。
でもまあ、
「あんなもん見せつけられたら、俺も何かしようって気にはなるもんだな!」
と、シルフにとってはわけのわからないであろう発言をしてから、俺は勢いよく地面を蹴った。
(見えた! あの岩を突き破ればコレット達のいる大広場に出られるぞ!)
「よっしゃあ! 行くぜ!」
「とぉーう!!」と、走ってきた勢いそのままに、眼前の岩に飛び蹴りを食らわす。
「いてててて!?」
シルフの力と合わせて、すぐに割れるだろうと考えていたんだが⋯⋯まさか、表面にひびすら入らないとは。
(まいったな⋯⋯私もある程度全力を出したつもりだったんだが)
今ので、全力? コルトの槍をかち割った時はもっと凄かったはずなのに?
「シルフ、もしかしてお前⋯⋯」
「⋯⋯⋯⋯はあ、言いたくなかったが、今のは翔太の身体限界を考えた上での全力だ」
「⋯⋯なら、シルフだけで岩を割ることは?」
「出来なくはない⋯⋯が、今の私では耐久面にやや不安があってな」
身体能力においては、俺と同じぐらいらしい。なら、やることは1つか。
「シルフ、俺の腕もろとも岩を砕くことはできるか?」
「⋯⋯⋯⋯」
シルフが絶句しているのがこちらにもわかった。まあ、驚く気持ちもわか―――
「驚いたな、まさか翔太にそこまでの気概があったとは」
うん、意外と切り替えが速かったけど、別にいっか。
(うし! 気を取り直して行くぞ!!)
(おおー!!)
今回短くてすみません!
ここまでお読みいただきありがとうございます!
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