1 とりあえず突っ走る
昨日に引き続きこんな時間にすみません。……だって、予定とはいえ更新しますって言っちゃったし……。
「ったく、せめて戦闘は1日1回にしてくれ!」
(まったくだ)
光る特殊な鉱石に照らされた一本道をひた走る。瞬間移動を使って、移動時間を短縮したいところだが、それはあまり得策ではないらしい。
「行ってこい」と魔王に言われ、なんだかんだ言って、周りの人々にも見送られながら、俺は封入されていた写真を確認し、瞬間移動を実行した。
それで、写真にあった場所が今いるこの洞窟の入口で、俺は迷わず突入した。
「いや、正確には突入する羽目になった⋯⋯だな」
(はぁ⋯⋯チャイドめ、後で何か奢らせてやる⋯⋯!)
苦笑して、さらに奥へと突き進む。ちなみに、手紙の中身は既に確認済みだ。
『私と眷属が首をながーくして待っています。ぜひ来てね!』
まだ特に変わったものは見当たらない。⋯⋯念のため、細々としたことを確認しておくか。
(えーと、文面的に、眷属も待ち伏せてるんだっけ?)
(ああ、いつ不意打ちされるかもわからないし、翔太や私が能力を使った場合、あいつらに場所を把握される危険性があるな)
はあ、出来れば肉体労働はこれ以上したくなかった。
唯一の救いは、洞窟の中がそれなりに涼しいことだろうか。まあ、先ほどまで暑い気候の地域にいたせいかもしれないが。
(止まれ、翔太!)
「んん!?」
俺は足を止めて急ブレーキをかける。見ると前方に人影がある。
「あなたが、シルフ様の契約者ですか⋯⋯」
「い、いかにも」
なんとなくそれっぽく答えてみる。
「私達はチャイド様にお仕えしている者です」
「だろうな」
現れたのは、茶色の瞳と髪の女性3人組だった。⋯⋯どういうわけか中に浮いているが。
⋯⋯さて、一体どうしたものか。俺は別に、この人達と戦いに来たわけではないんだけど。
「えーと、この道を譲ってもらうわけには⋯⋯?」
「それは出来ない相談です。何分、こちらにも職務というものがあるので」
既に3人は臨戦態勢だ。洞窟の空気がよりいっそう冷えた気がする。
(どうする? 準備運動はランニングで十分済んでるけど)
(まあ、戦うしかないだろう。チャイドが求めているのは私達の力の誇示だからな)
誇示⋯⋯ね。
「仕方ない⋯⋯そんじゃあやりま―――」
「それは悪手ですぞ」
俺が覚悟を決めて、構えようとしたその時、背後から老人の声が聞こえた。
「お、お前は!?」
眷属3人組が信じられないといった様子の表情をしている。
俺も驚いて振り向くと、なんとそこにはいつか出会ったコレットのお祖父さんがいた。
「しばらくぶりですな。⋯⋯さて、ここはこの老兵におまかせを」
少しの間逡巡した俺だったが、
「⋯⋯すみません、お願いします」
力はチャイド本神に直接示せばいいかという結論に達し、目の前の3人をお祖父さんに任せることにした。
「なあに、お願いするのはこちらの方ですよ。孫を頼みましたぞ」
「う、ういっす!」
俺の背中に、熱さからくるものとも、来るべき戦闘に対するものとも違う、妙な汗が流れたような気がしたが⋯⋯多分気のせいだよな!
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