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魔王城へようこそ!  作者: 大和(大)
『土の賢者』編 第4章
68/233

1 とりあえず突っ走る

昨日に引き続きこんな時間にすみません。……だって、予定とはいえ更新しますって言っちゃったし……。



「ったく、せめて戦闘は1日1回にしてくれ!」

(まったくだ)


 光る特殊な鉱石に照らされた一本道をひた走る。瞬間移動を使って、移動時間を短縮したいところだが、それはあまり得策ではないらしい。



 「行ってこい」と魔王に言われ、なんだかんだ言って、周りの人々にも見送られながら、俺は封入されていた写真を確認し、瞬間移動を実行した。



 それで、写真にあった場所が今いるこの洞窟の入口で、俺は迷わず突入した。


「いや、正確には突入する羽目になった⋯⋯だな」

(はぁ⋯⋯チャイドめ、後で何か(おご)らせてやる⋯⋯!)


 苦笑して、さらに奥へと突き進む。ちなみに、手紙の中身は既に確認済みだ。


『私と眷属が首をながーくして待っています。ぜひ来てね!』


 まだ特に変わったものは見当たらない。⋯⋯念のため、細々(こまごま)としたことを確認しておくか。


(えーと、文面的に、眷属も待ち伏せてるんだっけ?)

(ああ、いつ不意打ちされるかもわからないし、翔太や私が能力を使った場合、あいつらに場所を把握される危険性があるな)


 はあ、出来れば肉体労働はこれ以上したくなかった。


 唯一の救いは、洞窟の中がそれなりに涼しいことだろうか。まあ、先ほどまで暑い気候の地域にいたせいかもしれないが。



(止まれ、翔太!)

「んん!?」


 俺は足を止めて急ブレーキをかける。見ると前方に人影がある。


「あなたが、シルフ様の契約者ですか⋯⋯」

「い、いかにも」


 なんとなくそれっぽく答えてみる。


「私達はチャイド様にお仕えしている者です」

「だろうな」


 現れたのは、茶色の瞳と髪の女性3人組だった。⋯⋯どういうわけか中に浮いているが。


 ⋯⋯さて、一体どうしたものか。俺は別に、この人達と戦いに来たわけではないんだけど。


「えーと、この道を譲ってもらうわけには⋯⋯?」

「それは出来ない相談です。何分、こちらにも職務というものがあるので」


 既に3人は臨戦態勢だ。洞窟の空気がよりいっそう冷えた気がする。


(どうする? 準備運動はランニングで十分済んでるけど)

(まあ、戦うしかないだろう。チャイドが求めているのは私達の力の誇示だからな)


 誇示⋯⋯ね。


「仕方ない⋯⋯そんじゃあやりま―――」

「それは悪手ですぞ」


 俺が覚悟を決めて、構えようとしたその時、背後から老人の声が聞こえた。


「お、お前は!?」


 眷属3人組が信じられないといった様子の表情をしている。

 俺も驚いて振り向くと、なんとそこにはいつか出会ったコレットのお祖父(じい)さんがいた。


「しばらくぶりですな。⋯⋯さて、ここはこの老兵におまかせを」


 少しの間逡巡(しゅんじゅん)した俺だったが、


「⋯⋯すみません、お願いします」


 力はチャイド本神(ほんにん)に直接示せばいいかという結論に達し、目の前の3人をお祖父さんに任せることにした。


「なあに、お願いするのはこちらの方ですよ。孫を頼みましたぞ」

「う、ういっす!」



 俺の背中に、熱さからくるものとも、来るべき戦闘に対するものとも違う、妙な汗が流れたような気がしたが⋯⋯多分気のせいだよな!



ここまでお読みいただきありがとうございます!

感想、誤字脱字の指摘はお気軽にどうぞ。


次回からはもっと早めに更新しますよ!

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