8 その3
作者が忘れてた設定を拾う回です。
しっかりしろ作者!
「いてー」
俺は額を触って外傷を確かめる。幸いにも、特に目立った傷は無さそうだ。
(まったく⋯⋯私にもう少し休みをくれというのに)
どうやらシルフが衝撃を緩和してくれたらしい。それでもおでこは尋常じゃないぐらい痛いんだが⋯⋯。まあ手のひら大程の大きさの石をぶつけられて痛くないわけがないよな。
「あれ⋯⋯視界が⋯⋯?」
なんか、急激に視界がぼやけてきた。そういえば、俺は今眼鏡をかけていない。
「あちゃー、今ので治療中だった翔太の視力が元に戻ってしまったか」
「まじか⋯⋯」
「ええ!?」
コレットが驚きの声をあげた。まあ無理もない、俺も驚きだ。
そんなことになっていたとは⋯⋯衝撃で逆戻りとかあるんだな。あと、石をぶつけられた瞬間エリシャが俺の肩を掴んでたけど、それはなんでもないんだな。
「はい眼鏡」
チトセが眼鏡を手渡してくれる。俺はお礼を言って、遠慮なく受け取り⋯⋯⋯⋯。
「ありがとう⋯⋯手を離してくれないかな?」
力を込めて引っ張るがビクともしない。
「翔太君はあれぐらいの大きさがいいんですねそうですかそうですか」
「うぐ⋯⋯」
くそ! ここには俺以外男がいないから、この状況で俺の味方がいない!
「仕方なかったんだって⋯⋯不可抗力だし⋯⋯あと、お前らのせいでもあるんだぞ」
「「へ⋯⋯?」」
俺の予想外の切り返しにチトセとエリシャが間の抜けた声をあげた。俺はその隙に眼鏡を装着する。ふぅ、視界が戻った。
「前の俺だったら目をそらすぐらいはしたよ? でも今のはガン見だっただろ? つまり、下手に女慣れさせたそっちにも責任があるのでは!?」
「「え、ええ⋯⋯と?」」
⋯⋯そんなキョトンとした顔をしないでくれ。俺が馬鹿みたいじゃないか。
「プッ! ⋯⋯アハハ!! いやいや、まったくその通りだな。少なくともオレが思ってた限り、だが。旦那ならもう女の下着ぐらい見慣れてるかと思っちまってたぜ」
唯一まとも(?)な反応をあの男勝りな女性がしてくれた。⋯⋯なんかちょっと嬉しいな。
「だろ? ⋯⋯ちなみになんで旦那なんです?」
俺は出会った当初からの疑問を訊いてみた。
「? だって旦那なんだろ? そこの時空龍サマの」
「「「な⋯⋯!?」」」
「ちょ⋯⋯!?」
「え⋯⋯!?」
誰がどの声をあげたのか俺にはわからない。⋯⋯だって今はチトセ達の方を振り向きたくないし。ていうか今、この場にいた全員が反応しなかった?
⋯⋯しばし沈黙が流れる。なんだこの謎の緊張感。
「ま、まあ⋯⋯⋯⋯それよりも。翔太、さっきは加減もしずにぶつけてごめん」
コレットがこの重苦しい雰囲気の中、俺に謝罪を述べてくれた。
助かった、「もう少し沈黙が長引いていたら俺がなんとかしなきゃ⋯⋯」と無駄に緊張してたからな。
「い、いや⋯⋯俺の方こそ申し訳ない。そ、それより、風邪を引くといけないから、服着替えたら?」
目立った被害がなければ、別に俺はいいのだ。視力が回復してたのもすぐに落ちたのも多分エリシャのせいだし。
まあ、「また見てる⋯⋯」というその場の約1名以外からの視線が痛かったけどな!
「それじゃあ、色々あったけど、そろそろ時間だし会場の方へ向かおうか」
夏蓮が時間を確認して、呼びかける。
⋯⋯いよいよか。
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うむむ……ちょっとギャグ要素が足りないですかね?
次回はもう少し意識してみます。




