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魔王城へようこそ!  作者: 大和(大)
『土の賢者』編 第1章
47/233

5 魔王が発明家ポジションに落ち着こうとしている件について……は、触れられなかったよ……

夜分遅くにすみません。呼んでもらえたら幸いです。



 翌日、いつも通り朝の鍛錬を受けようと、魔王に会いに行った時のことだ。


「ほらよ。(魔王)お手製のKATANAだ」

「えっちょっ!?」


 俺はいきなり魔王に長細い物体を投げられた。

 両手でしっかりと受け止めたそれは、意外にも軽かった。⋯⋯それもそのはず。


「って、木刀じゃん」


 それはどこからどう見ても、日本にだって売っている木刀だった。魔王は「ふふん」と自慢げに語る。


「いいだろう? まああと、寒さ暑さやらの懸念(けねん)をクリアした耐久性抜群(ばつぐん)のランニングシューズを作ったぞ!」

「お、おう⋯⋯でも、なんでこのタイミングに? あとなんでこの2つなんだ?」


 もっと凄い物も作れただろうに。木刀と靴て⋯⋯いやまあ2つとも果たす役割は大事だけども。


「1つは、単純に時間がなかったこと!」

「ああ」


 なるほど。


「あとは、『そう言えば翔太の靴だけ魔王軍製のやつじゃなかったな⋯⋯』と思ってな」



 言うタイミングがなかなか無かったから今伝えるが、俺は異世界では常に魔王軍が作った衣服や眼鏡を身につけている。

 眼鏡は単に、激しい衝撃や振動でもずれ落ちたり壊れたりすることがないようにだが、他は違う。俺が異世界で自由に行動できるようにするためだ。⋯⋯まあ、詳しい話はまた今度ということで。



「で、木刀の理由は?」

「おう、1つは翔太が好きそうだなと思って。⋯⋯で、もう1つの理由は、ただの凶器をいきなり持ったところで、意味がないと思ってな」


 確かに。そもそも俺にそんなものは似合わないだろう。


「あと、そろそろ武器が必要かと思ってな。最近は翔太も忙しそうだし」

「ああ、サンキューな」


 忙しいのは、最近というか、異世界に呼ばれてからずっとな気がしますけどね!


「んじゃあ今日も始めるか」

「うい」






「今日の素材は何?」

「ああ、()()に連れて来たから大体わかると思うけど、なんか凄い鉱石らしいぞ」


 魔王との鍛錬が終わり、十分に休んでから、俺はコレットと合流した。

 そして着いた場所はどこかの採掘場⋯⋯の上にある崖の上。


「へえー、神老石か⋯⋯これはまた大層な物を要求してきたわね」


 しんろうせき、と読むらしい。果たしてどういう代物なのやら。



「ここの下にある洞窟の奥に、その石が発見されたらしい」

「なるほど、こういう所にあるのね。原石は初めて見るから、ちょっと楽しみかも」


 そう言いながら、コレットは俺の肩に手を置く。⋯⋯置かれる道理は分かってはいるが、やはり女子にここまで近づかれると、緊張してしまう。⋯⋯まあ、ほんの数秒なんですけどね。


「⋯⋯よっと」

「お! 君達が使いの者かい?」


 俺達が瞬間移動で下に降りる(?)と、そこにヘルメットと作業着を着た男性が待ち構えていた。


「はい、そうですけど⋯⋯」

「ん? ⋯⋯ああ、俺はあんた達がここに来るまで、ここら一帯を警備してたもんだよ」


 「あなたは?」という無言の問いかけに、その男性は答え、


「気をつけて行きなよ。じゃあ、俺は帰るから」


 「ふいー、終わった終わった〜」と言って、颯爽(さっそう)と去っていった。


「何だったんだ? あのおっちゃん」

「さあな。遠い異邦人、とだけ今は言っておこう」


 なにをそんな意味ありげに⋯⋯回収されない伏線的なのだったらどうすんだよ。


「? ⋯⋯あ、こんにちはシルフ様」

「おう」

(聞いたか翔太、これが正しい私への接し方だぞ)


 何故か自慢げにこちらを見てくるシルフ。⋯⋯それで、主の俺にどうしろと。


(ああ、うん聞いた聞いたー)

(⋯⋯)

「痛い!?」


 俺がテキトーに答えすぎたせいか、シルフが俺の太ももを叩いてきた。


「急に叩くなよ! ちゃんと聞いてたから!」

「聞いていれば良いという問題じゃないんだぞ! 大体お前はいつも縮こまって⋯⋯」

「まあまあ、続きは神老石を回収してからにしませんか?」


 コレットの助け舟(?)によってシルフが口を(つぐ)んだ。⋯⋯分かってはいるんだけどな。


「⋯⋯おほん! 1つ、洞窟に入る前に言っておくことがある」


 少し落ち着いた様子のシルフが、場を取り仕切る。


「この中には、翔太の嫌いな物が両方とも居る可能性がある」

「そ、それって⋯⋯」


 俺の背中に気持ちの悪い汗が流れる。


「何? 翔太の嫌いな物って。高級料理?」

「違うわ! 別に高級料理自体は嫌いじゃないから! ⋯⋯⋯⋯出るんだな? シルフ」

「ああ、虫と、怨霊に似たようなものがな」


 うわあ、まじかよ。俺もう動けねえわ。もうシルフに任せるしかねえわ。あと俺の知り合いの女性は基本両方とも平気だわ。

 ⋯⋯そう言えば、コレットはどうなんだろう?


「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯ええっと⋯⋯それ本当なの?」


 ⋯⋯ほう。


「コレット、もしかして、どっちか苦手なのか?」

「べ、別に苦手とかそういうんじゃないのよ!? ⋯⋯⋯⋯そう、触れなかったり、見たらちょっと動けなくなっちゃうだけで!」

「それ、苦手なのでは?」


 まあいいや。まさかコレットが1番ヒロインらしいキャラだったなんてな! ⋯⋯これで側にいるのが俺以外の主人公っぽいやつだったら完璧なんだがな。


「それじゃあ、危なかったら指示を出すから、翔太は私の後ろ、コレットは翔太の後ろにくっついているんだぞ」

「おう」

「は、はい」



 次回は、俺得な話⋯⋯だったらいいなあ。



ここまでお読みいただきありがとうございます!

感想、誤字脱字の指摘はお気軽にどうぞ。


昨日気づいたんですけど、ポイント評価って最新話の所にあるっぽいですね。(確認はしてない)

次回は……なんでしょう? まあ、ほんとに翔太が得をする話にしますよ!

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