4 閑話休題をさせてくれませんか?
「アイスが食べたい」というシルフの要望にお応えして、近くにあった店でアイスを2つ買った時、俺の異世界用のケータイがメッセージを受信した。送り主はコレットだった。
「⋯⋯おお、これは」
そこに書かれていた内容は、「無事見つけることが出来たから、今から会えないか」とのことだった。
「食べながら行くかー」
「そうだなー」
場所は指定されていたが、写真は送られてきていないので、瞬間移動は使えない。まあ要するに、歩いて来いということなんだろう。
「ふむふむ、美味いなー」
「まあ、そうだな」
「⋯⋯翔太、そっちも食べてみたい」
「へいへい、どうぞ」
ちなみに俺はカップで、シルフはコーンだ。
「はい、翔太も」
「⋯⋯いや、やめとく」
俺が拒否したことで、シルフは意外そうな顔をする。
「いらないのか?」
「ああ、なんか⋯⋯してはいけない事のような気がする」
「?」
幼女が舐めたアイスを眼鏡をかけててオタクっぽい男子高校生が舐める。⋯⋯構図としてアウトなのでは?
いや、待てよ。
「やっぱり食べるわ。スプーンで」
反対側なら、多分問題ないな!
「うん、美味しいや」
「だろ?」
シルフが、何故か満足げに笑った。⋯⋯さて、この後も頑張ろうか。
「さて、着いたんだが⋯⋯あれ、話しかけるべき? というか、起こすべき?」
「⋯⋯出来れば放っておきたいな」
あれから少しして、コレットとの待ち合わせ場所に到着したのだが⋯⋯⋯⋯そこに居たのは、ぐったりとベンチに背中を預けているコレットと、彼女の膝の上で幸せそうに眠っている土の大精霊、チャイドだった。なんか羨ましいな。
「おーい⋯⋯コレット、起きてくれ」
このまま放っておく訳にもいかないため、俺はコレットの肩を揺らして起こす。
「⋯⋯⋯⋯ん。ああ、翔太達か」
⋯⋯寝起きの女の子という、少し前までの俺にとっては珍しい場面に遭遇している気がする。もっとも、シルフと契約してからは、毎日見ているんだが。
「何があったんだ? ⋯⋯大体予想できるけど」
「うん⋯⋯残り1分のところで土の大精霊様が来てね。⋯⋯それで、この試練自体は達成出来たんだけど⋯⋯」
「その後、こいつに色々と連れ回されたんだな」
シルフがチャイドに指をさしながら言ったのに対して、コレットは首肯した。
「土の大精霊か⋯⋯これからの試練も、思ったより大変そうだな」
「うん」
主に、アフターケアが。
「⋯⋯ああそうだ。コレットのおじいちゃんに会ったぞ」
俺は思い出したことをそのまま口に出す。
「え! ここにおじいちゃん来てたの!?」
「お、おう」
コレットは、それまでの眠たそうな顔から一変、目を見開いて、立ち上がって聞いてきた。⋯⋯が、
「うがっ!?」
「あ」
「お」
「ぷぷ⋯⋯」
コレットが立ち上がったせいで、膝の上で寝ていたチャイドが地面に落ちてしまった。
「いてて⋯⋯急にどうしたんだコレット⋯⋯って、シルフ!?」
「ああ、先程ぶりだな。相変わらず、変な試練をしているなぁ」
「まあネ、シルフの方はまさかそんなことになっているなんてビックリだけど」
俺の方をちらりと見て、チャイドはそんなことを言った。
そして、意地の悪そうな笑みを浮かべて、
「大変そうだネ? チカラもまだまだ戻ってないっぽいし」
煽るようにシルフに近づいて言ったが⋯⋯
「いや、これがそうでも無くてな。最近は身体の調子が良くなっていく一方だぞ」
シルフはさらっと受け流してしまった。
「ええっと⋯⋯?」
「はいはい、質の悪い宿主で悪かったね! とりあえず今日は解散でいいでしょ?」
突然の2人のやり取りに困惑したコレットの代わりに、俺が事態をまとめる。⋯⋯なんか、今日は帰って休みたい気分だ。昨日の疲れも残ってるし。
「⋯⋯そうだネ。コレットにはまた後で連絡を入れるし、協力者と一緒なら、またシルフとも会えるし」
「それじゃあまた今度ってことで⋯⋯帰るか、シルフ」
(ああ、そうだな。このバカの相手をするのも100年ぶりでなんか疲れたし)
⋯⋯今の、あえて口に出さなかったな。
「あ! ちょっと! おじいちゃんはなんか言ってた!?」
「ええっと⋯⋯⋯⋯それは、また後で話すわ」
そう言ってすぐに、俺は魔王城に瞬間移動した。
⋯⋯言えるわけないだろ。「『孫は任せた』って言ってた」なんて。⋯⋯なんか顔が熱くなってきた。
ギャグチックにしたいのに、なんか出来ません! 翔太には沢山ツッコミを入れてほしいんだけどなぁ。
とりあえず、ここまでお読みいただきありがとうございます!
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30ポイント、本当にありがとうございます! 目指せ40ポイント!(なんかもう投げやり)




