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魔王城へようこそ!  作者: 大和(大)
『土の賢者』編 第1章
43/233

1 痛すぎて笑えない

またバトルかよ!



 「場所は、この写真を見て()()()ね」と言われ、「目的の素材はこのメモを見てね、シルフさんに聞けば分かると思うから」と伝えられ⋯⋯一夜明けて、枕元に例の写真とメモ用紙が置いてあるのを確認してからはや数日。


「なんでもっと早く誘ってくれなかったの!?」

「いてて!! もっと優しく治して⋯⋯」

「あ! ごめん⋯⋯」


 俺はコレットからお叱りと治癒魔法を受けている最中だ。


「俺だって、もっと早く誰かを呼びたかったさ⋯⋯でもみんな忙しいって言って断るし⋯⋯コレットを呼ぶ前に下見でもしておこうかなーと思ったら、こうなったんだよ」

「だから言っただろ。今の私と翔太じゃ無理だと」


 確かにシルフは言った。でもな、


「下見すら不可なんて思わないだろ!?」

「あはは⋯⋯でもよく生きてここまで戻って来れたわね」

「ああ、うん。まあね」


 (しげ)みに隠れていたらいきなり腹を貫通されたんだが、咄嗟(とっさ)にコレットとの待ち合わせ場所に瞬間移動したわけだ。


「はい、これが今の(あたし)の限界よ。完全に治せるのは、ダイア様くらいね」

「サンキュ⋯⋯うーん、リベンジ行こうかなー」


 痛みは感じるが、腹に空いた穴は塞がれ、出血も止まっている。これなら大丈夫だろうか。


「私は緊急脱出用の転移結晶持ってるから安全だし、行ってもいいけど、翔太は大丈夫なの?」

「大丈夫、対策を練ればなんとかなる⋯⋯多分」


 あの速度の突きなら、なんとかなるはずだ。






 俺達はある程度作戦を練った後、(くだん)の魔獣を探す。


「お、いたいた。あれが一角獣だ。サイズもバッチリだな」


 依頼された素材の1つは、一角獣とか呼ばれている魔獣の角だった。⋯⋯ちなみに、頭に真っ直ぐに生えている角の大きさも指定されていて、しばらく俺達は、このサバンナを歩き回っていた。


「じゃあまあ、俺が突っ込むから、コレットは援護を頼む」

「わかったわ」


 コレットは前衛も後衛もできるらしいが、いかんせん俺が基本前衛しか出来ないため、コレットには援護を任せることになった。


「ふっ!」


 見つかる前に俺は瞬間移動で側に()()、横っ腹をぶん殴る。


「⋯⋯⋯⋯あれ? 効いてない?」

「伏せて!」


 コレットの叫びで俺は咄嗟に伏せる。彼女から放たれた岩塊がこちらを向いた一角獣に激突する。⋯⋯なんにせよ不意打ち成功だな。⋯⋯っと。


「⋯⋯今くるのね!?」


 事前告知なしで、まだ2度目だが、もう大体感覚的に分かる。今ようやく、神格⋯⋯もとい神性が送られてきたことが。


(来たぞ翔太!)


「うお!? わ!」


 尋常じゃない速度で繰り出される突撃を俺は間一髪のところで(かわ)す。⋯⋯でもまあ。


「コルト程の突きじゃねえな!」


 身体が馴染(なじ)んできたところで、俺は隙を見て角に手刀を食らわせた。手刀と言っても、風の大精霊(シルフ)の力を受けた、神空の一撃だ。なんの抵抗もなく、スパッと綺麗に切断することが出来た。


「よっしゃあ!!」


 一角獣が悲鳴を上げて逃げて行くのを確認して、俺は叫ぶ。


「割と呆気なかったわね。でも、ほんとにこの角でいいの?」


 コレットが出てきて、切断された角を拾い上げる。


「これ、30年物よ。一角獣といえば300年は生きるとされているし、もっと強いのを要求されているのかと思ってたんだけど」

「一角獣の角は、寿命に比例して質が良くなっていく物なんだ」


 気づけば、シルフが俺の隣に現界していた。⋯⋯もう驚かないぞ!


「へえー。⋯⋯でもメモにはそれぐらいの大きさの物がいいって書かれてたから、まあそれでいいんじゃないのか?」

「そうなの? なら―――」


 コレットが何か言いかけていたところで、大きな地響きが鳴り出した。


(翔太、向こうを見ろ!)


 シルフが指をさした先には⋯⋯⋯⋯


(こいつは、やばいな)


 数え切れない程の、一角獣がこちらに向かってきていた。もう10秒もしないうちに到達するだろう。一角獣は、それほど速い生き物なのだ。あと⋯⋯地鳴りうるせえ!!


「とりあえず撤退だな!」

「きゃ!?」


 聞こえていないのを承知で、コレットに話しかけ、彼女の身体のどこかを咄嗟に(つか)んで、瞬間移動を実行した。


 なんで聞けたのかは知りませんが、可愛らしい悲鳴いただきました!



ここまでお読みいただきありがとうございます!

感想、誤字脱字はお気軽にどうぞ。


……「神空」とは何かって?

俺もわかんないです!

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