1 作戦確認、からの待ち時間
久しぶりに書くとやっぱ難しいですね。
いよいよ、この日がやってきた。
魔王城の小さな会議室には、既に魔王とフローラさん、俺とシルフと夏蓮が集合していた。⋯⋯あとはギムギスさんだけだ。
「お待たせ致しました」
ギムギスさんが落ち着いた口調で会議室の扉を開け、ホワイトボードを片手で引っ張りながら入ってきた。
「では、本日の予定を確認したいと思います。まず、魔王様が暴走状態な地龍を倒します」
「おぅ⋯⋯眠いけど任せろ」
魔王があくびをしながら適当な相槌をうつ。⋯⋯大丈夫かこいつ。
「翔太さんとシルフには魔王城の留守番を、そして夏蓮さんはそのサポートをお願いします」
「う、うっす」
「そんなに緊張するなよ翔太」
「そうだよ。いざという時にはボクがなんとかするから」
だって相手は殺しにかかってくるだろうから、怖いし⋯⋯。まあ、チート持ちのくせに醜態晒すなんてのは勘弁だから、必ずやり遂げるつもりではあるけど。
「フローラ様は海龍と交戦するであろう地の賢者達率いる突撃隊の救出」
「ええ、なんとかしてみるわ」
魔王とは対照的に、いつもより覇気のある表情で、応答するフローラさん。
「そして私はあのような作戦を思いついた悪代官を捕らえます」
最後にギムギスさんが自分の役割を言った。⋯⋯フローラさんとギムギスさん、何気に別の役割があったんだな。
「では、最終確認はこれまでです。⋯⋯行きましょうか」
「⋯⋯⋯⋯暇だな」
「暇だぞ」
「うん⋯⋯」
会議室で作戦を確認してから既に1時間が経った。今魔王城には俺達しかいない。
「せっかくだから、宿題でもやっておこうか」
「ええ⋯⋯もうちょっと緊張感を持ったことをさあ」
夏蓮の提案に、俺は露骨に嫌な顔をしておく。こんな時にそんなものをやりたくないんだが⋯⋯。
「ダメだね。翔太にはもっと高い点数をとってもらわなきゃ⋯⋯それに、今まで怠けてた分を取り戻さないと」
「真面目だなー、レンは」
「翔太が面倒くさがりなだけだよ⋯⋯」
夏蓮がこちらにジト目を向けてきた。⋯⋯そんな目で俺を見るなよ。ついでに言うと俺は面倒くさがりじゃなくて、俺は1か0かの男なだけだから!
「いいから! ほら、やってやって!」
そう言って夏蓮は俺の勉強道具一式と、宿題の問題集を取り出した。
「レン⋯⋯1ついいか?」
「うん、何?」
「なんで俺の勉強道具と問題集持ってんの!?」
「ああ、それ、夏蓮が学校でこっそり盗んでたぞ」
俺の疑問に答えたのは意外にもシルフで、
「ぬ、盗んでないから! 預かっただけだから!」
夏蓮はなんか言い訳をしている。混沌としてきたな⋯⋯。
「はいはいわかったよ。やればいいんでしょやれば⋯⋯。レン、シルフの相手をしてやってくれ」
「わかったよ」と言ってシルフの隣に行く夏蓮と、「私を子供扱いするな!」と言いながらも俺と少し距離を開けるシルフ。
「ああ、めんどい」
俺はそんなふたりを一瞥してから、問題集を開いた。
⋯⋯賢者御一行様、まだですか?
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