6 飛んで飛んで『エリシャ編』
「おお、今日は遅かったな」
夜、俺はエリシャの所へ飛んできた。⋯⋯日課だからね!
「ああ、マジでしんどかった⋯⋯」
「翔太、勉強しなさすぎだぞ⋯⋯」
夏蓮さんにたっぷりと勉強をやらされてしまった。あの後はいつもなんやかんや言ってだらーっと時が過ぎるのを待ってた時間帯だったんだが⋯⋯。
だって、俺やろうやろうと思っても出来ない人間なんだもん。
「しかもテストが数日後だって? なんで1度も机に向かってなかったんだ!!」
「おま⋯⋯それはもうレンに散々聞きただされた後なんだから勘弁してくれ⋯⋯⋯⋯」
あんまりにも待ち時間が退屈だったのだろう。シルフがことあるごとに俺に不満をぶつけてくる。こんなことなら暇潰し用に何か与えておけばよかった。
「そんなことより翔太! 妾の振る舞いはどうじゃった? 褒めてもよいのじゃぞ?」
「あー、良かったよー、良かったー⋯⋯うん」
「⋯⋯⋯⋯」
しまった! 疲れからつい対応が適当になってしまった! 急いでフォローを入れねば⋯⋯!
「そ、そうだ! お茶とお菓子も美味かったぞ!」
焦って若干話を逸らしてしまった⋯⋯。大丈夫だろうか? エリシャだってストレス溜まってそうだし、感情が上手くコントロール出来ない可能性があるからな。
「ほんとか!? どれが良かったのじゃ?!」
そう言って何故かエリシャは食い気味に顔をよせてくる。⋯⋯ち、近い近い近い!! 俺の心臓に悪いだろ!?
「あー、あれだ⋯⋯あの、フルーツがいっぱい乗ってたやつ」
「ふむふむ⋯⋯」
「私はあの砂糖あめのやつが美味かったぞ!」
「ほうほう⋯⋯」
なるほど、俺達が食った甘菓子はエリシャが選んだもしくは作ったってところかな。あとシルフ、ソファーを陣取るな。そこはいつも俺の場所だろ?
「さてと、今日は凄いぞ!」
エリシャが興奮気味で準備をし始めた。あれれー? 疲れてるのかな、ソフトが2つあるように見えるぞー?
「この2つのレベル上げを手伝ってもらいたい」
ほう⋯⋯まだ単純作業ならいけるかも⋯⋯。
「あ、翔太はこっちのボードゲームのやつを頼む。難しいから頑張ってな。シルフにはこっちのカードゲームのを頼むぞ」
うそん。⋯⋯こっちの世界のボードゲームだとお!? 確か無茶苦茶難しいやつだろ!?
「よくかーどげーむというものがわかんないだが⋯⋯」
「なんじゃ、それなら翔太に教えてもらえばいい。あやつならきっと嗜んどったはずじゃ」
はは、んな無茶な。⋯⋯まあ、嗜んでましたけども!
「じゃあエリシャは何するんだよ?」
せめてエリシャのと代われればワンチャンあるかも⋯⋯!
「ああ、妾はこの3つの謎解きゲームをやるつもりじゃ」
うん、無理。俺がもう軽く諦めて、エリシャに「無理です」と伝えようとしていたところ。
「それじゃあ頑張るんじゃぞ!」
「ふぉお!?」
エリシャに肩をポンと叩かれ、途端に力がみなぎった。
今のなに!?
「ああ、そういえばまだ言ってなかったな⋯⋯」
そう、シルフが思い出したように言う。
「この国の王は代々、『超回復』の能力者なんだ」
⋯⋯やっぱエリシャって凄いんだな。意気揚々とゲームやってるところ見ててもそんなのわからないが。
そう思って俺はため息を1つついてから、ゲーム機を取りに向かった。
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