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魔王城へようこそ!  作者: 大和(大)
1章
13/233

1 突然の収集



 階段を降りて、下駄箱のある1階へ向かう。あの後、夏蓮からなにを言われるのかとビクビクしていたが⋯⋯結局、何もなかったため、俺はこうしていつも通り真っ直ぐお家へ帰ろうとしているわけだ。



 靴を履き替え、自転車置き場から自分の自転車を回収する。


「はぁ⋯⋯」


 こっから家まで40分かかりますよ、皆さん。


 ⋯⋯と、


「まじか」


 俺の行く先を塞ぐように、金髪長身の魔術師、八月一日(ほずみ)夏蓮が立っていた。

 俺は一応自分に用があるのか確かめるために、前後左右に人影がないかを確認する。⋯⋯どうやら俺に用があるみたいだな。


「あの⋯⋯なにか?」

「なにかも何も、その指輪はなに? 鈴木君」


 げげっ⋯⋯やっぱバレてたか。

 ギムギスさん(いわ)く、この契約の指輪は、契約した双方以外だと、魔術師や超能力者の素養があるやつには見えるんだったな。


(なあシルフ、あいつが俺の話を信じると思うか?)

(ふうむ⋯⋯わからない)

(ですよね)

「実は⋯⋯お?」


 どうしようもなかったため、全て説明してしまおうかと思っていたら、魔王軍全員支給の異世界用端末がメッセージを受信した。


「ごめん、また今度で話すから! じゃね!」

「ちょ、待⋯⋯え、ええ⋯⋯?」


 夏蓮の制止を強引に振り切って、自転車を全速力で漕ぐ。


 まだ6月だと言うのに、主張の激しい太陽が俺達を照らしていた。⋯⋯まさかこの時期に快晴が見られるとは。











「で、緊急収集って言うからすっ飛んで来たんだけど⋯⋯」

「おお、もう翔太遅いわ~、もう時間ギリギリだわ~」


 か、帰りてえ。汗だくでも気にしずにここまで来たのに、なんつー言われようだよ。


「とりあえず綺麗にするからそのまま立っててね」

「あ、はい」


 俺はフローラさんに洗浄魔法で洗ってもらいながら魔王から説明を聞く。


「⋯⋯本日! ()()()()を決行する!!」


「いや、『あの作戦』てなんだよ」

「うむ、これから翔太達には、ある場所へ向かってもらう⋯⋯ギムギス、写真を」

「こちらですね」


 魔王の指示で、ギムギスさんが俺に写真を手渡す。


「⋯⋯これは?」


 渡された写真には、見覚えのない浴場が写っていた。


「それは、ダイア国の王専用の風呂場です」


「はあ⋯⋯あ?」


 見えたぞ話が⋯⋯。でもパッと見で高級感はあるかなーとは思っていたけど、まさか王様とはね。


「つまり、今からここへ行けと?」

「そういう事だ。それで、お前にはこれから毎日王へ極秘に会合して上手い具合にあちらの内部情報を聞き出して来てほしい」


 俯いて何かを考えている素振りをしているギムギスさんの代わりに魔王が答える。


 ハハ⋯⋯ちょっと待て。わかったよ。王の元へ潜入するのは百歩譲ろう。適材適所ってやつだ。だが⋯⋯


「おま⋯⋯なんで風呂場の写真なんだよ?」

 風呂場とかいう微妙な場所をなして選んだん?

「いやー、これには深いわけがありまして」

「うちのポンコツ魔王がサボった結果です⋯⋯翔太さん、本当に申し訳ない」

「あ! おいギムギス!」


 まあ⋯⋯これもなんとなくわかってたよぉ。


 オホンっと魔王がわざとらしい咳をしてから口をつむぐ

「この時間にこの場所へ行けば、ほぼ100%安全に王と接触出来る⋯⋯と、向こうに送ってあるスパイから伝聞が届いてな。ち・な・み・に! そいつに『なんでもいいから王しか立ち入れない場所の写真送って』と言ったらこの写真が送られてきたわけだ」


 魔王の方を見ると、さも「ほら、俺は悪くない!」というような顔をしている。


 なんだろうか、この⋯⋯素直にスパイを賞賛出来ない感覚は。「はあ⋯⋯」と俺は1度頭を切り替えるためにため息をつき、目線を写真に向ける。


 俺の能力は自分がその行きたい場所に居る情景を鮮明にイメージすることで、そこへ瞬間移動出来るというものだ。そのため、写真や動画にある場所にも想像力をフルに働かせれば行けなくもないのだ。⋯⋯時間差で頭が半端なく疲れるけど。


「いいか、向こうの王様の戦闘能力は、はっきり言って今のお前らより上だ」

「まじかよ⋯⋯」


 会ったら容赦(ようしゃ)なく叩かれんじゃね? 大丈夫俺?


「まあ荒事には持ち込んでもらおうとは思ってないから問題ないさ。お前にやってほしいことは簡単で、平和ぼけした一介の高校生らしく、あちらさんと仲良くなってもらえればいい。そうしてそれとなく内部情報を聞き出してもらいたい」


 お、おお⋯⋯ハードルは予想よりも低めだと思うけど。いけんのかねえ⋯⋯。



「はい完璧! 別に困ったらシルフになんとかしてもらえばいいわ。⋯⋯それと最後に、あなたに女神の祝福をかけてあげるわね」

「ありがとうございますフローラさん」


 俺がそう御礼を言った丁度その時、俺の身体が微かに光って、やがて中へと消えていった。


「おお⋯⋯やっぱ魔法って凄いっすね!」


 俺はあまりの感動に興奮気味に思わず感想を述べた。


「さて、私達に出来るのはここまで。⋯⋯あまり大所帯で行くと会った瞬間通報されかねないからね」

「頼んだぞ」

「頑張ってください」


 1人一言、激励の言葉をかけてもらい、俺は了解の意味を込めて頷く。そして、


(行くぞシルフ)

(ん⋯⋯やっとか。めんどくさいからサクッと終わらせるぞ)


 今まで会話に全く入ってこなかったシルフに確認をとってから、写真を凝視し始める。


 瞳を閉じて、自分の中の世界へ入り、自分が居る場所を書き換える。



 さあて、王様攻略といきましょうかねえ。⋯⋯俺コミュ障だけどね!



すっごい投稿遅れた……。

とりあえず、ここまでお読みいただきありがとうございます!

感想、誤字脱字の指摘はお気軽にどうぞ。

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