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魔王城へようこそ!  作者: 大和(大)
序章
12/233

幕間3



 それは、今朝のことだ。


「翔太、朝だぞ。起きろ」


 シルフに身体を揺さぶられて仕方なく目を開けた俺は、時計を見て、時刻を確認する。

 ⋯⋯⋯⋯うん。


「まだ朝の6時じゃねえか⋯⋯」


 二度寝の体勢に入った俺を見てシルフが驚く。


「おい! 昨日は『毎朝、6時には起きてるんだ⋯⋯(キリッ)』とか言ってたじゃないか!」


 あー、そんなことを言ったっけな。確かシルフと2人でゲームして時間潰してた時だったっけ。まあ、確かに、俺は毎朝6時には起きてたよ、うん。でもまあ、6時に目覚まし時計をセットしていたのは先週までだし⋯⋯なにより、


「6時には、1度起きてるだけだぞ、その後、二度寝してないとは、一言も言ってないだろ⋯⋯?」


 そう言って俺はまたタオルケットにくるまる。こっちの世界じゃ今の時期は6月中旬ってところで、梅雨時(つゆどき)の湿気も相まって、暑いのなんの。


「ふん、なんだよ、だらしないやつだなー」


 シルフは俺を起こすのを諦めたらしく、俺の服から手を離した。所詮俺はただの人間だからな、出来ることなら、楽な方へ逃げますよ。


「⋯⋯お、この本はなんだ?」


 シルフが俺の勉強机の上に置いてあるラノベを手に取r―――


「てちょっと待てぇぇぇぇ!!!」

「うわ! なんだよ翔太⋯⋯?」


 それ、俺が昨日必死こいて読破したやつ!

 俺はやや強引にシルフからそのラノベを取り上げる。⋯⋯うぅ、不審な目が俺に刺さっている。


「そ、そうだシルフ! 俺の漫画貸してやるよ。それで時間潰しててくれ」

「⋯⋯ん、わかった。それで、その本はなんなんだ?」


 ⋯⋯くそ、この本についての興味は削げないのか。仕方ない。


「こ、この本はだな⋯⋯その、あの、男の欲求を満たすためのものでな⋯⋯とてもじゃないが、シルフには見せらんないというか⋯⋯」


 ああああああああああ!!!! 作者様ごめんなさい! 仕方がなかったんです! 他に方法が無かったんです!!


「そ、そうか⋯⋯ならしょうがないな⋯⋯⋯⋯聞いちゃってゴメンな」


 シルフは頬を赤らめながらも、理解してくれたみたいだ。⋯⋯今日最大の危機だったな。





 ということが今朝あったわけだが。時刻は午後4時を過ぎたところで、もうすぐ下校時間になる。


(翔太、暇だぞ)

(わかってる。俺もだ)

(いやお前はノートとれよ、テスト近いんだろ?)

(ああ、それね。⋯⋯なんかやる気が出ないっつーかね~)


 俺の高校での態度は、微妙な感じだ。俺がいるクラスは、この進学校の中でも取り分け入試成績が良かった者達がいるクラスだ。まあ俺、この中ではテストの成績全くよろしくないんだけど。


(そんなことは置いといて、そういえばシルフ、お前なんで今日起こしてくれたんだ?)


 俺はふと気になっていたことを聞いてみることにした。


(え、ええと⋯⋯そ、それはだな⋯⋯いや、というかなんで今更そんなことを聞くんだ!?)


 ? なんだろうか、そんなに答えづらいことだったのか。

 まあ、俺としては状況が悪かったにせよ、


(わざわざ起こしてくれたから、御礼は言っとこうと思って)

(⋯⋯⋯⋯ほう)


 少しの沈黙を挟んで、俺は教室前方に立て掛けてある時計を見る。⋯⋯授業終了まであと1分もないな。


(翔太、気づいているか?)

(ああ、知ってる。朝から違和感はあったけど、昼には完璧にわかったよ)

(斜め後ろの席にいる女、常に私達を見ているぞ)

(学業に支障が出てないといいけどな)

(お前が言うな! ⋯⋯と、とにかく、あいつは何者なんだ?)

(ああ、あの人ね)


 俺は左斜め後ろの席に座っている女性について簡単に説明する。


(あいつは八月一日(ほずみ)夏蓮(かれん)、こっちの世界に存在する、魔術師の1人だ)

(ほう、まさか異能力者がこの学校にいたとは)

(春休みにちょっとした縁があってな、知り合い以上、友達未満って感じだな)


 余談だが、こちらの世界にも魔術師やら超能力者やらはいるらしい。最も、普通に生活していればまず会わないからいいんだけど。基本、彼らは能力がバレないように、怪しまれないように、目立たないように行動しているからだ。

 だが夏蓮の場合、ほっといても目立ってしまい、周りから怪しまれてそうだ。


 何故(なぜ)かと言うと、彼女は、金髪で、長身で、おまけにボクっ子だから!!











 ⋯⋯て、いくらなんでも属性盛りすぎぃ!!



ということで、そろそろ1章を始めようかと思います。

それはそれとして、ここまでお読みいただきありがとうございます!

感想、誤字脱字の指摘はお気軽にどうぞ。

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