9 ある意味負担が大きいよな
なんか久しぶりに妾って書いた気がします。
少し歩いたところでカラットとも合流した。これであとはエリシャだけなんだが……。
「海だー!」
チャイドが定型文のような叫びを上げてから海へと走っていく。おお、泳ぎが上手いな。俺と大違いだ。
カラットとコレットは二人で何か話しているいて、それぞれが思い思いの過ごし方をしている。
「さて、俺はどうしようかな」
とりあえず泥団子でも隅っこで作っていようかなぁ。
(翔太、後ろを見ろ)
(ん?)
言われるがまま、体ごと反転すると、そこには……
「……エリシャ?」
いまだに朝会ったままの服装のエリシャがいた。木に隠れて俺を招いているな。
「ちょっと屋敷に戻るわー!」
この場にいた全員に聞こえるような声で嘘を吐いてエリシャのもとへ瞬間移動する。
「……で、俺に用か?」
「用がないなら招いてないじゃろ……まあ良い。翔太、妾を城に連れて行ってくれないか?」
「おう、別にいいけど。なんでだ?」
「……水着を忘れてな」
「ああ……」
それなら仕方がない。俺はエリシャの肩に手を置き、今朝訪ねたばかりの部屋に飛んだ。
「じゃ、俺はここで待ってるから、なるべく早めに持ってきてくれ」
直立不動のままエリシャに催促する。他人の部屋では細心の注意が必要だからな。あと、島にいるみんなから変に疑われたくない。
「うむ! それじゃあちょっと着替えてくるな」
「……着替えてから行くのか?」
「そうじゃが……ダメじゃったか?」
そんな上目遣いに見られると拒否出来ないぜ……。でも、時間は極力短縮したいから、
「手間がかかりそうなら俺の能力でやろうか?」
なんとはなしに提案してみる。コレットには全力で反対されたが、エリシャならどうだろうか。
「翔太の? 瞬間移動で? ……うーむ」
おう、一瞬だぞ。着るつもりの水着を見せてもらえれ―――
「……それ、下着はどうなるんだ?」
「………………あ」
それまで黙っていたシルフがポツリと呟いた。俺の能力は想像力が源で、想像出来ない現象は起こせない。
下着とか、完全に忘れてたわ。
「ほう? とりあえず着替えてくるぞ」
それまでの好意的な声が一転、今まで聞いた中で1番低い声でそれだけ言って、部屋から出ていった。
「うぅ……別にやましい気持ちなんてなかったんだよ。ほんとにさ」
エリシャが戻って来るまでしばらくの間、シルフに反省を聞いてもらう。
「はいはい。まあ、2人とも分かってくれると思うけどな」
うーん。コレットにも後で説明しよう。
「エリシャ怒ってたよなぁ……どうしよう」
「なら、コレの感想でも言ってくれれば良いぞ」
「え……ちょ、ちょっと待て!!」
無茶振りと共に勢いよく扉が開かれる。同時に、勢いよく俺は扉に背を向ける。
「あーうん、似合ってるよ。うん」
「翔太、エリシャは逆だぞ」
く……これ以上心臓に負担をかけたくないんだが、仕方がない。
見てもいいと言われたんだ。なら、引くぐらい凝視してやらあ!
「うっ!」
しばしフリーズ。思考が秒速で止まってしまった。
「う?」
「う……?」
「…………美しい」
エリシャの姿を見た瞬間、最初に思い浮かんだ言葉がそれだった。
白いビキニの上に半透明な白い布がかかっている。なかなか特異な水着だった。
「ふふん。そうじゃろうそうじゃろう。特注品じゃからな」
自慢げに語るエリシャ。……もう怒ってないのか? というか、最初から怒ってなかったんじゃあ?
「さあ! 戻るぞ2人とも!」
「おー!」
「お、おお……?」
俺が考えている間に、エリシャが俺の腕を掴んで事の先を促す。
まあいいや、役得ってことで。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
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全然投稿出来なくて申し訳ないです。
12月はもう少し頻度を上げていくつもりなのでご期待下さい。……期待度は雀の涙程度でお願いします。
それでは!




