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魔王城へようこそ!  作者: 大和(大)
「真夏のバカンス」編
113/233

9 ある意味負担が大きいよな

なんか久しぶりに(わらわ)って書いた気がします。



 少し歩いたところでカラットとも合流した。これであとはエリシャだけなんだが……。


「海だー!」


 チャイドが定型文のような叫びを上げてから海へと走っていく。おお、泳ぎが上手いな。俺と大違いだ。

 カラットとコレットは二人で何か話しているいて、それぞれが思い思いの過ごし方をしている。


「さて、俺はどうしようかな」


 とりあえず泥団子でも隅っこで作っていようかなぁ。


(翔太、後ろを見ろ)

(ん?)


 言われるがまま、体ごと反転すると、そこには……


「……エリシャ?」


 いまだに朝会ったままの服装のエリシャがいた。木に隠れて俺を招いているな。


「ちょっと屋敷に戻るわー!」


 この場にいた全員に聞こえるような声で嘘を()いてエリシャのもとへ瞬間移動する。


「……で、俺に用か?」

「用がないなら招いてないじゃろ……まあ良い。翔太、(わらわ)を城に連れて行ってくれないか?」

「おう、別にいいけど。なんでだ?」

「……水着を忘れてな」

「ああ……」


 それなら仕方がない。俺はエリシャの肩に手を置き、今朝訪ねたばかりの部屋に()()()




「じゃ、俺はここで待ってるから、なるべく早めに持ってきてくれ」


 直立不動のままエリシャに催促する。他人の部屋では細心の注意が必要だからな。あと、島にいるみんなから変に疑われたくない。


「うむ! それじゃあちょっと着替えてくるな」

「……着替えてから行くのか?」

「そうじゃが……ダメじゃったか?」


 そんな上目遣いに見られると拒否出来ないぜ……。でも、時間は極力短縮したいから、


「手間がかかりそうなら俺の能力でやろうか?」


 なんとはなしに提案してみる。コレットには全力で反対されたが、エリシャならどうだろうか。


「翔太の? 瞬間移動で? ……うーむ」


 おう、一瞬だぞ。着るつもりの水着を見せてもらえれ―――


「……それ、下着はどうなるんだ?」

「………………あ」


 それまで黙っていたシルフがポツリと呟いた。俺の能力は想像力が源で、想像出来ない現象は起こせない。

 下着とか、完全に忘れてたわ。


「ほう? とりあえず着替えてくるぞ」


 それまでの好意的な声が一転、今まで聞いた中で1番低い声でそれだけ言って、部屋から出ていった。




「うぅ……別にやましい気持ちなんてなかったんだよ。ほんとにさ」


 エリシャが戻って来るまでしばらくの間、シルフに反省を聞いてもらう。


「はいはい。まあ、2人とも分かってくれると思うけどな」


 うーん。コレットにも後で説明しよう。


「エリシャ怒ってたよなぁ……どうしよう」

「なら、コレの感想でも言ってくれれば良いぞ」

「え……ちょ、ちょっと待て!!」


 無茶振りと共に勢いよく扉が開かれる。同時に、勢いよく俺は扉に背を向ける。


「あーうん、似合ってるよ。うん」

「翔太、エリシャは逆だぞ」


 く……これ以上心臓に負担をかけたくないんだが、仕方がない。

 見てもいいと言われたんだ。なら、引くぐらい凝視してやらあ!


「うっ!」


 しばしフリーズ。思考が秒速で止まってしまった。


「う?」

「う……?」

「…………美しい」


 エリシャの姿を見た瞬間、最初に思い浮かんだ言葉がそれだった。

 白いビキニの上に半透明な白い布がかかっている。なかなか特異な水着だった。


「ふふん。そうじゃろうそうじゃろう。特注品じゃからな」


 自慢げに語るエリシャ。……もう怒ってないのか? というか、最初から怒ってなかったんじゃあ?


「さあ! 戻るぞ2人とも!」

「おー!」

「お、おお……?」


 俺が考えている間に、エリシャが俺の腕を(つか)んで事の先を促す。


 まあいいや、役得ってことで。



ここまでお読みいただきありがとうございます!

感想、誤字脱字の指摘はお気軽にどうぞ。


全然投稿出来なくて申し訳ないです。

12月はもう少し頻度を上げていくつもりなのでご期待下さい。……期待度は雀の涙程度でお願いします。

それでは!

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