#3 例によって例にごとく
すいません、今回駆け足気味になってしまいました。
「はい、到着です!」
「ようし、屋敷の掃除をするぞ!」
ヒノデによって、まるで彗星を彷彿とさせる速度と輝きで島に到着した。
俺はさっさと舟から降りて、まるまる1年は使われていないだろう屋敷へと向かう。
「では、私が水回りを引き受けましょう」
「なら私はそれ以外をやるわね」
「力仕事は儂がやろう」
「私も手伝います!」
「えっ? えっ?」
光の速さで変わる状況に、コルトだけ置き去りにされていた。
一段落ついた頃、俺は使われていない部屋で魔法陣を書いていた。
「何を書いてるんですか?」
コルトが興味深々といった様子で俺に問いかけてくる。
「これか? これは魔法陣と言ってだな……」
「…………」
「そんなことぐらい知ってますよ。バカなんじゃないですか?」と目で言われている気がする。
「いや、すまん。翔太に話すノリでしちまった」
「ああ、なるほど」
別に冗談で言った訳ではなく、本当に素で話す相手がコルトだと言うことを忘れていた。集中し過ぎもよくないもんだな。
「外枠に島を囲う結界、それより中には向こうと話すための術式が書いてある。……ちなみに、緊急時には中心に簡易的な転移術式を書くことで向こう側に転移することができるぞ」
「そ、そんな大層な物をこの規模の魔法陣で表しているんですか!?」
コルトのお手本のような反応に思わずにやけてしまう。翔太だといまいち反応が鈍いからな、こういうことはしっかりと1から学んだやつにしか分からないんだろう。
「まあ、こんなもんはまだまだ序の口だけどなー」
なんてったって、100年以上前からほとんど完成させていた技術だし。
「それよりお前は外で遊んでこいよ」
「遊ぶって……いいんですか?」
一応任務のはずですが……って、真面目かよ。
「いいんだよ、そのためにヒノデを呼んだんだ。海に入るなら昼間が良いだろ?」
光を司る神ヒノデは、まだまだ半人前ではあるものの、その機能をしっかりと果たしている立派な女神だ。
……寝てばかりの地龍も少しは見習ってほしい。
「そ、それじゃあ行ってきます!」
嬉しそうに跳ねながら駆けて行った。
「……年相応の反応が見れてなによりだ」
「そうじゃな」
「うおっ!?」
背後を取られ、声の主と距離をとる。
「エンドラか、何しに来た?」
「なあに、儂も浜辺で遊びたくてな」
なんだろう。嫌な予感がする。
「お、おう……勝手に行ってこいよ」
「そう邪険に扱うんじゃない。実は皆でやりたいことがあってな」
「なんだ? トランプなら寝る前だぞ?」
「それも良いが、ここはもっと身体を動かすことがしたい……すなわち、ドッヂボールじゃ!」
ニコニコ顔で、ボールを取り出したエンドラ。
別に構わないけど、
「手加減しろよ……?」
常人が誰一人としていないこの状況で、まともなスポーツは果たして可能なのだろうか……?
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