表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王城へようこそ!  作者: 大和(大)
「真夏のバカンス」編
108/233

#2 高速じゃなくて、光速な

再開する時は最初が1番辛いのはわかってたつもりだったんですけどね……。とにかく楽しんでいただけたら幸いです。



「あなた、お茶が入りましたよ」

「ありがとう」


 我が愛妻からコップを受け取る。うん、いい湯気が経っている。アツアツの紅茶だ。……気温は今体感で25度くらいあるけど。

 せっかくだから飲んでおこうか、丁度(ちょうど)喉も乾いていたし。


「そういえば小僧、この間有給をとっていたな? どこへ行っていたんじゃ?」

「ああ、私達、旅行に行ってたの」

「ほほう、旅行とな?」


 エンドラとフローラの女子ふたりでトークに花を咲かせている間に俺はアフタヌーンティーをじっくりと味わう。……時間的には午後だからアフタヌーンティーで合ってるはずだ……たぶん。


「そういえば、私未だに何やってるのか聞いてなかったわエンドラのところで楽しく働いてるとは聞いていたけど」

「おお、そうか。なら(わし)が教えてやろう、職場でのこやつの活躍を」


 ブーッ!! 身の危険を逸早(いちはや)く察知し、俺は口に含んでいたものを全て吐き出す。


「うわっ! 魔王汚いぞ! なんで私にかけるんだ!?」


 俺の正面にいたギムギスがなにか文句を言っているがそんなことを気にしている場合じゃない。


「ま、まあそういう話は夜にでもしようぜ! ……ゲホッ! ゴホッ!」

「今、夜だけど?」


 しまった! 今って夜じゃねえか!


「じゃなくてだな! そういうのは向こうの布団の中でコソコソとするものじゃないのか!?」

「それ、しょーちゃんの方の文化じゃないの?」

「うぐ……」


 くそ……! こんなことになるならもっと序盤から話を逸らしに行くべきだった! 誰だよアフタヌーンティーとか言って余裕ぶっこいてたの!

 いや、今はそれどころじゃない。もしフローラが俺の職場は女の子だらけだって知ったら……。


 一難去ってまた一難……か。


「っていうか、まだ着かないんですか?」


 コルトが俺の心境を察してか(多分違うだろうけど)、自然な流れで話題を逸らしてくれた。でかした! こいつには後でジュースを(おご)ってやろう。


「えーと、探索(サーチ)したところ……まだ四分の一と言ったところですね」


 ギムギスが苦い表情でコルトの疑問に答える。ちなみに、濡れた服などは全て魔法で乾かしたらしい。


「えぇ!? やっぱり僕の魔法を使った方が……」

「まあ待てって、すぐ着くから」

「すぐっていつですか! このまま何もしないで舟に揺られるのは嫌なんですけど!」


 コルトが(しび)れを切らして自身の魔法を行使しようとした所―――


 ―――閃光が、こちらに向かって飛んできた。


「うわぁ!? 一体なんですか!?」

「お待たせしました! 女神ヒノデ! 母の代わりに参上です!」


 はきはきとした声で光る彼女はそう言った。それも、朝を連れて。


「えっ!? ()()ヒノデさん!? ……ちょっ、眩しくて見えない!?」


 コルトが予想外の展開に驚いている。……さては地龍(ネムイ)、このことを教えてなかったな。


「ちょっと魔王さん! なんなんですかこの状況は! ……って、サングラスかけてるなんてずるいですよ!」


 ふん、なんとでも言え。聞いていなかったお前が悪い。……あ、ちょっ、取りに来るんじゃあない!



 やがて光が収まり、コルトの視界が回復した頃。


「というわけで、助っ人のヒノデだ」


 改めてコルトに紹介する。


「あ、どうも!」

「はい、初めまして!」


 コルトから歩み寄って、ガシッと握手。うわぁ、これ絶対翔太には出来ない芸当だな。


「コルトの方には連絡が行ってなかったみたいだが、ヒノデに舟の操縦をやってもらうつもりだったんだ」


 俺の補足説明にうんうんと頷くヒノデ。


「それじゃあ早速ですが、飛ばして行きますね!」


 くるっと回転して、彼女が前方を見た瞬間――――――舟が光速で移動を始めた。


 …………うっ。ちょっと酔ってきた。



ここまでお読みいただきありがとうございます!

感想、誤字脱字の指摘はお気軽にどうぞ。


ちなみに、「ヒ ト デ」じゃなくて「ヒ ノ デ」ですからね……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ