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(第二部)五十五章 鳴き声が聞こえ

この度の話は短いです。

すみませんm(_ _)m

(第二部)五十五章 鳴き声が聞こえ  


 鳴き声が聞こえる。

 ずいぶんと長くにそれは鳴いているようだった。

 たんに鳴いているのでは無いようで、なきやまない。

 それが自分を呼んでいるような気がして半覚醒の常態から目を覚ました。

 眠い目をこすりながら伸びをして、声の聞こえてくる窓を開けてみると、やっと気付いてくれたかといわんばかりの飼い猫がこちらを向いて座りながら一度「にゃー」と鳴いた。


 やっと気付いてくれたかという雰囲気はすぐになりを潜め、何やらもの悲しい雰囲気を漂わせていた。


 もしかしてお腹がすいたのか?、と思い猫に向かって「少し待ってて。」といって机の引き出しにしまっておいた自分用の夜食?の缶詰を開けて猫の前に置いてあげた。

「にゃあ~~。」とすこし顔をかしげながらこちらを飼い猫は見る。

「食べて良いよ。」

といったのだが余りうれしそうでは無くもう一度こちらをみて同じような鳴き方をして三口ばかり缶詰を食べて、今日のねぐらの方へ歩いて行こうとしているらしい。

 数歩歩いたところで立ち止まりもう一度こちらに向き直って「にゃぁ」と鳴いた。

「おやすみ、しっかり休むんだよ。」と返すと。

「にゃ。」

と返事を返すような鳴き方をして暗闇に消えていった。


その後すぐに二匹野良猫が来ておいてあげた缶詰に食らいつき喧嘩しながら食べている姿をボッ~と眺めていた。


翌朝になっても何故か昨日の飼い猫トラの鳴き方が気になって、おたあさんに朝餌を食べに来たかと聞いてみたが、きょうはまだ来ていないという。


学校から帰って猫餌の平べったい茶碗を見たが食べた様子が無い。

翌日になっても、その翌日も同じ。


 おかしいなと思い先日の夜の出来事を話すと、もしかしたらお別れにやってきたのかも知れないという話になった。

 思い返してみれば明らかにいつもと様子がおかしかったし、おやすみしっかり休むんだよというとやっと判ってくれたという鳴き方だった気がして、何故か納得できる気がした。


 結局あの夜からトラは帰ってきていない。

 死期を賢い猫や犬は悟るという。

 飼い猫の幽世への一会にたちあったあり情景は今でも鮮明に記憶にある。





本業の神職が忙しく執筆の時間がとれず少し間が開きます。

必ず続いていきますのでご安心ください。

暫く時間をいただきます。

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