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輪廻転生  作者: 香月薫
第7章
196/422

第187話

あけましておめでとうございます。

本年も、よろしくお願いします。


昨年中には、再開させる予定でしたが、

本日から、再開となります。


怪我はまだ完治していないのですが、

だいぶ、調子もいいので。

体調の方は……、よかったり、悪かったりの状態です。

でも、投稿の方には問題ないので、

頑張っていこうと思います。


では。

 このところ、自分の部屋に、ラルムが、こもっている。

 リーシャ同様に、頻繁に、学校を休んでいた。


 部屋にこもって、人脈を使い、他国の、あらゆる情報を集めていたのである。

 休む要因としては、リーシャも、学校を休んでいることもあった。

 リーシャがいない学校にいっても、空しいだけだと、いこうと思えば、いけた学校を休んでいたのだった。

 そして、海外生活で培った人脈を、数日前からフルに使い、現在は、徐々に、情報がラルムの元へ届けられていた。


 国内のことも、警戒しているが、国外にも、目を光らせようとしていたのだ。

 母メリナとは違う、独自の情報網を、使用していた。

 それらを、自室で、精査していたのである。

 急用がない限り、部屋への出入りを、禁じていたのだった。


「久しぶり、ジャスティ」

「また、修復してほしい物でも、出てきたのか?」

 海外の友人に、電話をかけていた。


 部屋の中は、綺麗に片付いている。

 息抜きに、大きなキャンパスに向かって、絵を描いていたのだ。

 今は、その絵に、白い布がかけられていた。

 広い部屋には、書きかけ途中の絵が、白い布をかけられ、無数に、置かれている状態だった。


「いや。送ってくれた情報を、詳しく聞きたくって」

「そっちか」

「うん。で、そっちの国では、騒がしいの?」

「ああ」


 何となく、ラルムの中で、以前、住んでいた海外の様子が、想像できていた。

 ジャスティは、修復士と言うこともあり、セレブな人間との、強いつながりを持っていたのだ。情報を求められ、すぐさま、知っている情報を、ラルムに送っていたのだった。

 貰った情報が、ラルムの中で、引っ掛かりを憶えたので、直接、聞くため、ジャスティに電話をかけたのだ。


「これまで、何もしていなかったんだ。徐々に、おかしいじゃないのかって、思い始めているぞ」

「そうか……。それに、うちの国から、そちらの国へ、情報を、探っている者を、送ったらしいけど、見つかって、送られたようだ。随分と、悔しがっていたぞ」


 ラルムのところまで、そうした情報が、一切、流れてこない。

 情報が入ったとしても、タイムラグを生じさせていた。

 シュトラー王の孫とは言え、厳重に、そうした情報が、隠されていたのである。

 ラルムとしても、そうした情報を、掴むことができなくっても、他国から侵入してきた者を、秘密裏に捕まえているだろうと言うことは、理解できていたのだ。


「だろうね」

 ラルムの中で、海外で知り合った幾人の顔が、浮かんでいた。

 海外で、生活している上で、幾人かの他国の重鎮と、顔を合わすことがあった。

 その数人は、未だに、母親メリナと、やり取りを行っていたのだ。


「ま、俺としては、デステニーバトルには、大して、興味は持っていないが、国の命運が掛かっているからな」

 軽口を叩く、ジャスティだ。

 美術品を愛していることもあり、デステニーバトルに関しては、ほぼ、興味を持っていない。

 ただ、政治家や、セレブとの繋がりがあるので、基本的な知識しか、持ち合わせていなかった。それと、親友であるラルムが、デステニーバトルのパイロットの訓練をしていることもあり、気に掛けてはいたのである。


「そうだね」

「ラルムの方は、どうなんだ? 正規のパイロットに、もう時期、なれそうか?」

「そんなの、わからないよ」

 気の早いジャスティに、小さく笑っている。


「嘘付け。詳しくない俺でも、ラルムの実力は、知っているんだぞ」

「でも、アメスタリア国は、強い人ばかりだよ」

「そうだとしても、ラルムは、慣れるって」

 確信している声音。

 ラルムが、首を竦めていた。


 アメスタリア国は、デステニーバトルの優勝から、遠ざかっているとは言え、最高理事から落ちたことがない。

 最高理事の地位を維持するため、長年、デステニーバトルを強化していたのである。

 勿論、他国も、同じだったが、それ以上に、強化と教育に、力を注いでいたのだった。

 そうした考えから、能力が高いアレスやラルムは、幼い頃から、訓練をしていたのだ。


「ありがとう」

「その時は、応援してやるよ」

「期待に応えられるように、頑張る」

「ところで、相当、ヤバい連中を、送り込むみたいだな」

 ラルムが、気に掛けているだろうことを、ジャスティが、口に出していた。

 連絡を受けた時点で、そのことを確認するため、掛けてきたんだろうと抱いていたのである。


「……詳細は、わかるのか?」

「いや。ただ、かなり、ヤバい部隊を、送り込むとしか、わからない。俺としても、気になったから、聞き出そうとしたんだが、向こうも、口が堅くってな。それに、無茶をしても、よくないから、そこで、やめておいた」

「その方が、いいね」

 眉間のしわが、濃くなっているラルム。

「だろう?」


(甘くないか……。誰が、ターゲットに、なっているんだろうか? おじい様か、それとも……、突如、アレスの妃となり、パイロットの訓練をし始めた、リーシャのことか? リーシャの祖父が、かつて、おじい様と、コンビを組んでいた、クロス殿の孫って言うことは、容易に調べが、つくだろうしな……。やはり、リーシャが、危険なような気がする。でも……)


「気をつけた方が、いいぞ?」

 心配している、ジャスティの声だ。

「……そうか」

「ラルムが、気に掛けている彼女。相当、噂の的になっているぞ」


 ラルムが、リーシャに関する情報が、流れていないのかなど、聞いてきたので、今まで付き合ってきたラルムが、同姓異性に対しても、強く興味を抱くことが、なかったのを知っているので、それを耳にしたと同時に、相当、気に掛けていると、ジャスティは気づいていたのである。

 何事においても、慎重に構えるラルムの性格を、把握しているので、問い詰めることはしない。

 否定するに決まっていると、確信していたからだ。


「そんなにか」

 懸念した声で、問い質していた。

「ああ。どこも、かしこも、新しく王室に入った、彼女のことを、噂にしているぞ。いいことも、悪いこともな」

 フリーズしているラルム。


 ある程度、噂が流れるだろうと、予測していた。

 だが、それ以上に、各国が、噂していることに、異様なほどの、危機感を募らせている。


(リーシャ……)


「それと、そちらの人間と、かなり、繋がっている者がいる。少なくないが、情報が漏れているぞ」

「……そうか」

 そうしたことは、予測の範疇だった。


(やることが、いっぱいだな)


 頭は、リーシャのために、やることで、占められていたのである。

 彼女の安寧のために、根こそぎしようと、強く決意していたのだ。


「大丈夫か?」

「……どうだろう」

 苦笑しているラルム。


「無理は、するなよ」

「わかっているって」

「俺たちだって、やれることは、手伝ってやるから」

 難しい相手を、気に掛けているラルムのために、親友として、何か手伝えることはしようとしていたのである。

「ありがとう」


読んでいただき、ありがとうございます。

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