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プロローグ 未来への約束
初投稿です。
誤字脱字があるかもしれません。
その際はごめんなさい。
男は横たわっている女の頬を手で覆い触れる。白い肌の温もりが段々と薄れていくのが否応なくわかってしまう。
男の顔が苦悶の表情を見せた。
女自身も自分の身体がそう長く持たないことをわかっていた。
「私のこと、捕まえて」
苦痛に歪めている男を慰めようと微笑む。
「……」
「私、にぶいから。あなたが見つけてね、約束よ」
言葉も発するのもつらいと知りつつも、男はもっと声を聞いていたかった。
「……わかった。確かににぶいからな、お前は。それに遠回りするから」
しょうがないやつだと笑いながら答えた。
「それはあなたが悪いのよ。早く、私を見つけて捕まえてくれないから」
自分勝手な男の言い分に女は憤慨してみせる。
昔と変わらない女の仕草に笑みが零れた。
「絶対に見つける。何度生まれ変わっても、お前を見つけ出す」
揺るぎない決意が込められていた。
「約束。待っているから」
「ああ。待っていてくれ」
「うん」
「安心して、眠れ」
「うん……」
「……おやすみ」
読んでいただき、ありがとうございます。